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 hp200LX 不具合例:フレキ断線による表示不良(先端部腐食による例)
(hp200LX Blue display : Breaking of wire by corrosion of flexible cable.)

 液晶表示不良の修理例です。

 最初は、全く表示無し(無表示)でした。

 良くある、液晶裏のコネクタの不良があり、清掃と、スポンジの交換で直ったものと考えておりました。
 ところが最終テストで、ブルー画面(青一色表示)になりました。
青(黒)表示となってしまった。
 
 これは、フレキも切れていると判断し、フレキを取り出して抵抗を測定しようとしたところ、先端部に腐食があることに気づきました。
フレキの先端の腐食 フレキの先端部  腐食の拡大 詳細拡大


 危うく不良品を修理完了品とするところでした。
 腐食の除去 断線部の接続

 テスタで測定すると、写真での上から3番目の電極が切れていました。
 補修では腐食部をカッターで削りとり、細線で結びます。

 この際、4番目の電極にも腐食があったため、断線してはいないものの、念のため上乗せして細線接続しました。
 電線は、コネクタが噛み合う部分(写真で見える電極上の窪んだ部分)を避けるようにはわせます。
 
 基板上コネクタのロックを外す。 コネクタ部には問題無い。
 腐食していた相手側(コネクタの噛み合い部)にも不具合が無いか確認しましたが、幸い通常の変色程度であり、問題ありませんでした。
 
仮の動作試験
 導通確認後、フレキ(フレキシブルパターン)を液晶に組み込み、基板をつないで、簡易確認します。
 これで、問題なく表示されていることを確認し、本組します。


 今回の腐食の原因も、電池の液漏れによるものであると思います。
 (電池のスプリングや、基板、液晶裏ICなどあちこちに腐食(緑青)が発生していたため。)

 もし電池の液漏れが少しでも生じたときは、すぐに分解して洗浄したほうが無難です。
 思わぬ部分にまで電解液が侵入していることがあり、後々の不良原因になります。

 洗浄には電池を抜いて、本体ごと綺麗な真水に漬けてしまうという荒技も有効です。
 湖で船から200LXを持ったまま落ちてしまった方や、公園の噴水に落とした方も、乾かした後は使用できています。

 噴水に落とした200LXを使用したということを記したブログ
 http://biarritz.air-nifty.com/blog/2009/05/hp-200lx.html

 液漏れの危険性回避には、アルカリ電池をやめてニッケル水素電池(エネループ等)を使用することをおすすめします。(ニッケル水素電池は、充放電の際に発生するガスを吸収して内部圧力が上昇しにくい構造となっているため、液漏れを起こしにくいと思われます。)
 
 アルカリ電池で長期間使用する際には、液漏れしないということを強調した【マクセル】 ボルテージ単3 12本入 LR6(T)12P 「液漏れゼロ設計」 「新亜鉛合金使用」等を使ったほうが無難であると考えます。
 日立マクセル株式会社のアルカリ電池に関する特許出願例
 特許公開2006-216353 特開 2007-207765 特開2007-005196 特開2007-005167



 液漏れを遠因とするhp200LXの故障例
 キー不良 電池食い 電池バネ欠損 各部腐食 縦表示抜け 液晶腐食 ネジ腐食

 2009.12.16

めーる

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