hp200lx 電池食い。(腐食物質による。)
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電池食いの原因は、ほとんどがコンデンサ(キャパシタ)の
短絡(絶縁低下)
によるものでしたが、この例では電池漏れと思われる液状物質により、基板上の銅配線が抵抗を持って短絡し、無用な電流を消費していたものです。
この例では、コンデンサの抵抗値はほとんど正常なため、原因特定に難航しました。
(注:コンデンサに抵抗があるわけではなく、回路ごとアナログテスターの抵抗レンジで見た針の動きのことです。正常というのは他の基板と比較してほぼ同じという意味)
電池電極をテスタで測定しても正常なものと大差がありません。
ですが、電源OFFで20mA程度流れつづけます。
基板を顕微鏡で詳細に点検することで、不具合がわかりました。
写真の左下付近にある電池からの電極を受けるクリップ部に緑青のような腐食が見えます。
腐食部分の拡大です。2枚の写真は、同じ部分を別の角度から見たものです。 電極(写真内右のV字型クリップ)と隣の左の四角い部品との間に、腐食物質がたまっていることがわかります。
これはクリップ部を外して、腐食物質を取り除いた状態です。
もともと、部品と電極との間が極めて小さいことがわかります。
この腐食物を取り除き、正常になりました。
(正常:電源OFFで0.2mA程度)
前期型の基板(腐食の無いもの)
間隔が狭いことを改善したのでしょうか。 後期型の基板では、隙間が十分開いていることがわかります。
以上(2006.02.19)
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