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 hp200LX 故障例: 本体に折れ込んだ腐食ネジを取る。
 外す際にネジが途中から取れてしまった例です。
 この原因は、電池の液漏れ等による腐食物質がネジの隙間に入り、ナット部と固着してしまったためです。
 ネジ自体も強度が落ちており、ドライバー(ヘックスレンチ)で回す際にねじ切れました。
 残ったネジはナット(雌ネジ部)と一体化しているため、削りとることにしました。
顕微鏡下での使用 ルーター(超小型グラインダー)で削ります。
しかし、直径が1.6mmしかないの、実体顕微鏡をのぞきながらの作業になります。

このため、少し傾けての切削作業になります。
これは、取れたネジ(右)と、一緒に使用されていた正常なネジ(左)です。
ネジが切れた直後のナット部 取れた(折れた)ネジの断面には凹凸があります。
このため、ここでネジに穴を開けようとすると中央からそれて(ずれて)しまいます。
最初に切断面を平坦にする そこで、最初に円柱状の先端チップを用いて、切断面を平坦にします。

ここで使ったルーターは、右回転しかできないものです。
このため、もしネジが動いたときには右回転することになり、奥へ移動してしまいます。
そこで、ルーターを逆回転(CCW)させられるように改造しました。
冷却剤スプレー 油を付けて削ってゆく過程で、煙が発生しました。
切削に伴う摩擦で、発熱しています。
このままではナットの土台のプラスティックが溶けてしまいます。

そこで、電子素子の冷却用に使用する冷却スプレーを使用してみました。
これにより、切削部を冷やすとともに、切削粉を飛ばす効果がありました。
残りネジに穴が開く 穴は中央に開くように徐々に広げてゆきます。

先端チップは、最小のものを取り替えながら使用して、ゆっくり削っています。
タップでネジの内側の残りカスを取り去る 癒着ネジを削り取ったあとは、雌ネジ部に残った部分を取るために、タップをかけます。

これで雌ネジ部(ナット)が復活しました。
タップは1.6mmが良いのですが、入手できないので1.7mmのものを使います。

この後、ネジにも1.7mmのものを使用すると良好です。
(2007.04.11)

めーる

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