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 hp200LX 故障例:ヒンジの調整(離型剤を使用)
(hp200LX trouble: Adjust of hinge using mold separate material.)
 液晶を保持するヒンジの調整は、非常に微妙であると思います。
 一般的に、その調整にはグリスが用いられ、その材質は、シリコンが主なものだと思います。
 しかし、最適とは言えません。
 なぜなら、ヒンジ倒れや、ヒンジ破損が頻繁に生ずるからです。
 
 ここでは、シリコングリス以外の一調整方法を示します。
 
はみ出すほどに注入されたグリス ヒンジの保持部品  写真左は、グリスが塗られ外部にまではみ出しています。
 このように多量に塗った場合には、ヒンジが必ず緩くなってしまいます。

 ヒンジの保持力に影響する部品は、写真右の金属軸と、柔軟プラスティック(クリーム色)のみであり、多量に塗っても無意味です。
剥離剤
エポキシ樹脂接着防止、離型用。 品番:リケイザイno.10-20
軸にわずかに塗る  ただし、緩い場合にはヒンジの破損を免れる利点がありますので、一概に悪いとも言えません。
 使用する人が、ヒンジ倒れに納得できれば良いのですから。
 
 しかし、使用中に液晶が倒れてゆくと、非常に使いにくい状態になります。

 そこで、何か良い潤滑剤がないものかと探したところ、フッ素系の離型(剥離)剤が使えます。

 何より良好なことは、塗ってから動かさずに2−3日置いても、ヒンジ力に変化がなく、小気味よく動く点です。 
 言葉では表現しにくいのですが、ずるずるではなく、クリック感のある動きをします。

非常に硬いヒンジ
(写真5)
離型剤を注入
(写真6)
 この離型剤は、ゴム足を製作する際に、型に接着しないよう、剥離剤として塗布していたものです。
 手についたときにサラサラ感が非常に良かったので、試してみたものです。

 フッ素は、分子に良く浸透するとの情報があります。
ヒンジ保持力が適当に緩くなる
(写真7)
すでに内部で破損があり、スプリングが飛びでる。
(写真8)
 すでに硬くなってしまったヒンジに対し、外から注入して効果があるかどうかを試してみました。
  当初290g(写真5)あったヒンジに、離型剤を注入してみました。(写真6)
 すると、230gに減少しました。
 もっと、減るだろうと、ヒンジを何度も動かして、なじませているうちに、スプリングが飛び出してきました。
 すでに内部が劣化していたようです。(補修例

 ヒンジに対しては、潤滑剤以前に、硬すぎるスプリングと、劣化する部材に対処しなければならないと言えます。

 すなわち、スプリング力を弱め、かつ離型剤を使うことが、現状で最良と考えています。 (2009.02.09)

めーる

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