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写真左は、グリスが塗られ外部にまではみ出しています。
このように多量に塗った場合には、ヒンジが必ず緩くなってしまいます。
ヒンジの保持力に影響する部品は、写真右の金属軸と、柔軟プラスティック(クリーム色)のみであり、多量に塗っても無意味です。
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エポキシ樹脂接着防止、離型用。 品番:リケイザイno.10-20 |
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ただし、緩い場合にはヒンジの破損を免れる利点がありますので、一概に悪いとも言えません。
使用する人が、ヒンジ倒れに納得できれば良いのですから。
しかし、使用中に液晶が倒れてゆくと、非常に使いにくい状態になります。
そこで、何か良い潤滑剤がないものかと探したところ、フッ素系の離型(剥離)剤が使えます。
何より良好なことは、塗ってから動かさずに2−3日置いても、ヒンジ力に変化がなく、小気味よく動く点です。
言葉では表現しにくいのですが、ずるずるではなく、クリック感のある動きをします。
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(写真5) |
(写真6) |
この離型剤は、ゴム足を製作する際に、型に接着しないよう、剥離剤として塗布していたものです。
手についたときにサラサラ感が非常に良かったので、試してみたものです。
フッ素は、分子に良く浸透するとの情報があります。 |
(写真7) |
(写真8) |
すでに硬くなってしまったヒンジに対し、外から注入して効果があるかどうかを試してみました。
当初290g(写真5)あったヒンジに、離型剤を注入してみました。(写真6)
すると、230gに減少しました。
もっと、減るだろうと、ヒンジを何度も動かして、なじませているうちに、スプリングが飛び出してきました。
すでに内部が劣化していたようです。(補修例)
ヒンジに対しては、潤滑剤以前に、硬すぎるスプリングと、劣化する部材に対処しなければならないと言えます。
すなわち、スプリング力を弱め、かつ離型剤を使うことが、現状で最良と考えています。 (2009.02.09) |