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 hp200lx ヒンジの組立て調整 (くみたてちょうせい)()
200LXのヒンジ(蝶番部)は右側一箇所だけなので構造的に弱く、調整も難しいです。
わずかな調整で硬くなったり、柔らかくなったりします。

調整が硬すぎると、首折れ(ヒンジ部割れ)となり、柔らかすぎると液晶倒れ(保持不良)となります。

以下は、ヒンジの組立てと調整例です。


(1)ヒンジの部品と構造 (ヒンジ部品は、これだけで構成されて、支柱一点で支えられます。)
ヒンジ部品と液晶 ヒンジ内部部品 左から
a)支柱:液晶を回転的に保持(金属製)
b)ヒンジ環:部品を固定(左の写真のみ)
  (金属製)
c)摩擦部材:摩擦を与える白い部分
  (プラスティック製)
d)スプリング:摩擦力を調整(金属製)
e)支柱保持部材:支柱を安定させる
  (プラスティック製)


(2)スプリング調整 

 (スプリングは総じて反発が強すぎる傾向にあるため、スプリング力を弱めるように調整します。)
 プライヤで斜めに挟んで縮めると、反発の限界を超えるため適度に縮んでくれます。
調整前の 1.2cmから ⇒1cm程度まで縮む。
スプリングをプライヤで斜めに圧縮させる さらに反対方向に縮める 適度に縮んだスプリングと、縮める前のスプリングとの比較


(3)組立て
 e)支柱保持部材、d)スプリングを挿入します。 ここで、スプリングがヒンジ基部からはみ出ない程度になります。
 次に、c)摩擦部材を方向と角度(突起部が割れ目にはまり込む)に気をつけて挿入します。 (写真左)
 ヒンジの外側を押さえて、摩擦部材が飛び出さないようにしなから、ヒンジ環をはめ込みます。(写真中)
 プライヤで挟むように、ゆっくり挿入してゆきます。(実際にはプライヤを使わず、指で押さえながら入ります)
 最後に a)支柱を挿入して組立て完成です。
スプリングを入れた後に、摩擦部材を入れる。開いている方が先に入るので注意 ヒンジ環をはめ込む。手で全体を押さえて嵌めるところがコツ ヒンジ環が嵌ったところで、支柱を挿入する。


(4)保持力確認
液晶の重さに耐え、かつ簡単に動かせるか確認 ヒンジ組立てが完成しても、確認を怠ると、本体組立て後に調整不良で悔しい思いをします。
再度の分解は無用な負担を与えます。

前述したように、液晶は支柱一本で保持されているので、この部分をプライヤ等で保持すれば、本体組み上がり後の保持力を確認することができます。
スプリングを縮めているので、硬すぎることはあまり無いのですが、硬ければ支柱を抜いて摩擦部材を広げる等で調整します。
弱すぎるときは、アルコールで油分を流します。

グリスは、ほんの少しの使用でもヒンジが緩くなりすぎるので、できれば使わない方が良いです。
しかし、ヒンジ全体をばらさないで、弱くしたい場合などにはグリスが有効です。
 軸に傷を入れる 調整した後に緩すぎるときの裏技として、軸の横方向の挿入部に傷を付ける方法があります。
傷を付けることで、金属がわずかに押し出され接触抵抗を生じ、これが微妙に回転力を制御するように働きます。
最初は円周の四方にカッターで縦に傷を入れ、様子を見ます。
まだ柔らかい(簡単に回転する)ようでしたら8方に傷を入れます。
これが意外に良い結果を得られます。
万一硬くなりすぎたら紙ヤスリで滑らかにすれば戻りますし。
 
 

「この方法で調整した200LXが約1年後に、また首倒れ(保持できない)状態になりました。 原因は、切り込み部が、プラスティックの摩擦部材を削ってしまうためでした。 従って切り込みは恒久対策にはなりません。 かえって表面が鏡面のようになった方が、摩擦部材と密着し、保持力を上げる作用をするようです。」
 (削れてしまった場合には、摩擦部材の外部表面に薄いテープなどを入れて、直径を小さくすることで対処できます。)
(2008.02.01追加)
(5)支柱保持部材の代替品
シャフトを端部で支える支持部材。左から正常品、割れたもの、代替用金属製ワッシャー 支柱保持部材(シャフトホルダー)は、プラスティック製のため、ひび割れしやすく、使用年数の長いものはほとんど言って良いくらい割れており、分解時にばらばらになってしまい再使用できません。
しかし、これが無いとシャフトは回動時に安定しません。
そこで、代替品として金属製ワッシャ(座金)を使います。
これを用いると意外にホールド感が良く、なおかつ動き始めが軽くなります。
したがって、代替品というよりも改良品と言い得ます。
 模型店などで入手できるものとして、3.5mm内径 6mm外径 程度のワッシャが良好です。(薄いものは数枚使います。)
金属製ワッシャを使った例 金属製ワッシャーを使って組み上げたヒンジ部です。


ワッシャーを使わない  現在は、ワッシャーをあえて使っていません。
 
 なぜなら、元々のワッシャー(支柱保持部材(シャフトホルダー))は、割れて粉々になっているものが多いものの、機能にはなんら影響していないからです。

 かえって支柱を押さえると、写真のように軸中心がずれている場合(分離したヒンジを直した際等)には、余計なストレスを与えることになります。
 
 つまり、ワッシャー等で固定しないほうが、逃げ(遊び)がある分、偏った応力を防止し、壊れにくくなると考えます。

 (2009.10.10追加 )
   
 
2013.09.16 youtube up loaded.

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