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 hp200LX 修理例:液晶上の透明電極不良による横抜け表示
 hp200LX repair : (Missing lateral line by defective of transparent pattern on liquid crystal display.)

  今まで直せないとして(考えて)いた、液晶上の透明電極を接続してみました。

 

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 液晶の横抜けの状況
 2ラインが欠損(無表示)
 表示の横抜けの原因としては、基板と液晶ガラス上の透明電極とを接続する、フレキ配線(flexible wire pattern)の切れが良くあります。
 落下の衝撃等で、上方の1cm以上が完全に切れた場合には、修理をあきらめますが、途中の断線の場合には修理を試みています。 修理例1 
 
 しかし、原因が液晶ガラス上の透明電極の不良の場合には、修理不能としていました。  修復不能例
 

  以下は、実際の修理例です。
 なお、液晶には複数箇所の横抜けがあったこと、修理の方法を各種ためしたこと。等により、写真の時間的前後および、場所の異なりがあります。
 すなわち、説明のために脚色(嘘がある)しています。(最終的には、すべての横抜けが消えています。)
 

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 表示のコントラストを上げると、液晶画面全体が黒っぽくなるので、横抜けの状況(箇所)が良くわかります。

 横抜けの部分に信号が来ているかどうかをオシロスコープで確認します。
 ここで気をつけなくてはならないこととして、抜けの位置が、そのまま水平にフレキの電極に接続されて(繋がって)いるわけではないことです。
 右横の電極は、液晶画面に向かって収束(集まって)しています。
 扇(うちわ)の骨組みのような感じです。(中央に向かっている)
  640x480 46,229 Bytes   液晶ガラスの上でプローブの先を移動させると、信号が途切れる部分があり、そこで透明電極が切断していることがわかります。  (波形は1:100のプローブを使用)
  640x492 67,416 Bytes  切断箇所を調べる別の方法として、プローブに生ずる漂遊(誘導)電圧によって液晶を表示させる方法があります。
 これは、実際に横線を表示させている写真です。
 見にくいですが、オープンし(切れ)ている部分のみ、黒く表示されます。(プローブでなくドライバ等の金属物でも同様に誘導電圧がある。)
 透明電極が切れずに右側の電極に正しく接続している部分は、インピーダンス(内部抵抗)が低いため、浮遊(漂遊)電圧が下がり、黒くなりません。
 なお、液晶は電源が切れ、かつボンディング(接地)電極を左手で触っています。
   

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   透明電極の切れた部分は、ちょうどフレキの端部であることがわかり、カーボン塗料(炭素含有)で接続を試みる。
(マスキングテープでは2本切れたうちの1本のみを覆うことが限界)
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 接続は成功。
 200LXのセルフテスト(self test)のdisplayを実行すると、横抜け1本が表示されません。
 これは、切れている透明電極の1本のみの接続としたため、想定通りの結果です。
 (全体に抜けたように見えるのは、表示テストにおいては、隣接した横線を消して交互に表示させるなどの、数パターンが表示されるため。)
 display test youtube映像
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 切れた残りの一本(透明電極)は、0.5mm径のドリルを使って、カーボン塗料を置くように塗ってみました。
 乾いた後に、顕微鏡で見ながら余分を除去します。
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最終的に切れた2本の接続は成功し、正常な表示となった。
 


修理メモ:
 ・状況から、透明電極の切れた部分は、crack(割れ)のように細い筋状になっている模様
  したがって、カーボン塗料を長く線状に盛る必要は無く、割れ部をまたぐ点状で良い。
 ・一部の横線修理中に、全く問題の無かった部分に横線が生じた。
  わずかな歪み等で切れるようだ。
 ・マスキングに、エポキシ接着剤、ホットボンドを使用したが、ガラスへの接着性が弱い。
  マスキングを取る際に、カーボン塗料も取れてしまう。
 ・なんらマスキングせずに、直接カーボンを載せる方が良い。
 ・フレキの導体の一部を使って、ジャンプを試みたが、接着が弱く、また位置決めが困難。
 
  
 2011.03.20PDF(タイムスタンプ)
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