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この例は、新品同様の予備機に対し、バックライトの改造を実施中に生じました。
液晶の糊剥がしが終わり、表示を確認しているときに、突然表示が消えました。
コネクタ部を押さえると、時々黒い筋があらわれるだけです。
コントラストの良い液晶なので、焦ります。
他の液晶を、この試験台(ジグ)に載せると正常表示します。
どう考えても、壊れた(壊した)状況です。
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コントラストの不具合原因を追及中、液晶を壊した例があり、その原因が液晶裏のIC不良(写真の赤矢印位置)でした。
この際に壊した原因は、不用意に電圧を加えてしまったためでした。
今回は、ジグ(試験用機)にて作業していただけであり、無用な電圧は加えていません。
原因不明なので、とりあえず前回と同じIC(上部横ライン担当)を交換することにしました。 |
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交換するには、まず正常なIC(LSI)が必要です。
部品確保のために、割れて使用不能になった液晶から取り外します。
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ここでは、低温半田(81度で溶けると説明書に記されています。)を使って、取り外しました。
特殊半田は、(サンハヤト(株)表面実装部品取り外しキット)として入手
写真でもわかるように、四辺に低温半田を盛り、足を順に暖めて(溶かして)ゆくと、するっと横へ動きます。
するとそのまま外れます。
後は、半田吸い取り線で除去します。
基板に半田が流れるので、部品が密集した部分では後処理が面倒になります。 |
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これは、表示消えを直したい液晶です。
外部に半田が流れないように、四隅(しすみ)をマスキングします。
次に、特殊半田(低温半田)をできるだけ少なく盛ります。
取り外しキットには、専用のフラックスが付属していましたが、ここでは通常の液体フラックスを使用しています。
(専用フラックスが200LXに与える影響がわからないため。) |
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最小量を使用しての取り外しを行えば、無用な半田はほとんど生じません。
使った量は2〜3cm程度です。
(写真下の棒状物が特殊半田) |
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割れた液晶から外したICを、取り付けてみたところ、何事もなかったかのように正常表示となりました。
ちょっとした電気的ショックで、破損したものと考えています。
電源を入れながらの試験は、常に破損の危険が伴います。
(2007.05.01) |