hp200lx (ヒンジ部の割れ補修) ()
 200lxの持病とも言える、ヒンジ部の割れです。
もともとの設計が、右側だけのヒンジ部で液晶を保持しているため、
長年の開閉が、プラスティックを疲労させて、割れが生ずるものです。

この例は、比較的早い(程度が軽い)状況であり、このままでも使える状態です。
しかし、短時間のうちに割れが広がり他の部分の割れを誘発します。
首折れ直前の割れ これが割れの状況です。
かろうじて一部でつながっています。
修理準備のマスキング まず表面をマスキングします。
これで、表面を傷つけたり、接着剤が染み込むことを防止します。
表面には接着剤を塗布しません。
これにより、比較的良好な仕上がりを得られます。
修理面の下準備研削 裏側に下処理として、ルーターをかけます。
これで割れの部分の表面積を増やして、接着剤の効果を高めます。
ルーターを用いず、彫刻刀で削っても良いです。
グラスファイバーを少し混ぜる 接着剤の硬化後の強度を増すためにグラスファイバー片を少し置きます。 割れがひどいときは、ピアノ線によるスプリングを補強剤とする。
割れがひどいときは、接着剤で仮修理したのちに、ピアノ線をスプリング状に曲げたものを補強材として使用します。
接着剤(プラリペア )を塗布します。
厚すぎず薄過ぎず適度に盛ります。
スプリングを置いてからプラリペアで固める。
スプリングを入れたときのプラリペア 硬化後状態です。 強度は相当に増します。
同種材を使った修理 2005.12.15 追加

プラリペア のみ(補強なし)で修理をした200LXを落下させた際に、修理部から破断する事例がありました。

分析してみましたところ、プラリペア の修理では、材質が筐体の材料に比較して硬いため、柔軟性に欠け衝撃に弱いことがわかりました。 そこで、筐体の一部を補強材の材料として修理する方法を取り入れました。

「柔能く剛を制す」の考えです。
(2007.01.22現在、この方法は使用していません。 段差部で割れた例があるため。現在は、スプリング挿入+ピン挿入です。)
接着後の表面 マスキングを剥がした仕上がり写真です。
片側だけの接着ですが、強度は十分です。
強度を増すための鉄筋として針を挿入(最初下穴を開けるところ) 鉄筋としてのピアノ線を挿入 修理部に強度を更に増すために、ピン(針)を挿入します。
(破損状況に応じて2〜3本)

挿入法
・ドリル(0.4mm径)で下穴を開け
・ピアノ線(0.35mm径)を挿入。
割れの部分を5mm程度超える長さ
接着剤層と干渉する突起部の切除 液晶の前面枠のヒンジ部分にある突起をカットします。
これは首折れ部の修理によって、生じた接着剤の厚みを調整して歪み無く組み上げるためです。
割れの再発⇒ さらなる補強 2009.01.11

 プラリペア は、武藤商事の販売する造形補修剤の登録商標です。

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