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 hp200LX 故障例 : 水晶取り付け不良による不作動
(hp200LX trouble: In-operative by capacitor short circuit caused by crystal wrong install.)
 汎用水晶による倍速改造機ですが、全く電源が入らないということで送付されてきました。

 当初、異常に高い電池電流(200mA以上)が流れるものの、全く表示しない状況でした。

 ところが、裏蓋を開けてテストを行うと、全くの正常になっていました。

 状況を伺うと、以前にも「一度悪くなり、その後使用できていた。」ということですので、今回が2度目の発症になります。

 再発のおそれが高いので、詳細に点検したところ、改造水晶の取り付けが悪く近くのキャパシタ(セラミックコンデンサ)の両端を短絡させていたことが原因であるとわかりました。

(1)
電源が入らない

基板を見る。 水晶が替えられている。(2)  不具合機(写真1)は、非常に綺麗な個体で、おそらく新品の予備機を改造してあまり使っていないのでしょう。

 とりあえずは、改造部分の確認が最初です。

 水晶は横にして、テープで絶縁させているようです。 (写真2)
水晶を起こしてみた。
(3)

(4)水晶に巻いたセロファンテープに傷がある。
 水晶を起こして(写真3)見ると、すぐ下のコンデンサに接触したような形跡があります。

 顕微鏡で見ると、テープがくぼんでいます。 どうやらコンデンサが当たって、被覆が破れたようです。(写真4赤矢印)

 ためしに、電流を測定しながら水晶を強く押さえると、正常値から異常な電流になり、不具合が再現できました。
確認のためキャパシタをショートさせてみる。
(5)

(6)キャパシタをポリイミドテープで絶縁する。
 水晶を外し、コンデンサの両端をピンセットで短絡(写真5)させると、測定不能(200mA以上)になり、異常電流は水晶のケースでコンデンサを短絡させたことが原因と判断しました。

 このコンデンサにはカプトンテープを被せて絶縁(写真6)します。


底蓋の内側にへこみがある。
(7)
水晶を取り付け直す。
(8)
 底蓋を良く観察すると、水晶が当たってくぼんだ形跡(写真7赤矢印)がありました。

 つまり、200LXの底に加わった力(圧力)は、水晶を押すとともに、コンデンサの両端を水晶ケース(金属)の両端で圧して、短絡させていたことになります。

 水晶は再取り付けし、その後作動良好です。
 (2009.03.25)
 

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