hp200LX修理ホームページ矢澤行政書士事務所(ロゴ)
 hp200lx 修理例 1 (2005年5月)
以下は、実際に一台のhp200lxに生じていた不具合と修理の一例です。
分解による検査と修理完了までの流れを実例で示します。


【故障状況】 机の上から落下させてしまったところ表示に規則的な縞模様が発生。
         また、拡張メモリの認識に不具合が生じた。
         (本機は米国で拡張64M、クロック倍速に改造したものということです。)

【検査により発見した不具合と修理】
(1)液晶に規則的な縞模様
縞模様が発生した液晶  規則的な縦線が画面全体に表示されている。
液晶をひねったり、押さえたりしても表示に変化は無い。

原因は、液晶裏のコネクタが接触不良を起こしていたためでした。
要因としては液晶を留めているネジが1本挿入されておらず、他の3本も緩んでいました。 また圧力スポンジ(他機参考写真)が弱っていたので交換しました。
 

(2)本体側部に隙間が生じている。
すきまが生じた側面  隙間は、ヒンジ(蝶番部)の下側に生じていました。
指で広げると開くので、取り付けネジが効いていない状態です。
 原因は、ネジを留める土台が破損していたためであり、接着剤と補強剤で修復しました。参考例
 
(3)カードフラップが緩い
カード挿入部の蓋を閉じるフラップが開いている  カード挿入部に設けられたフラップ(カード挿入部の遮蔽蓋)は、カードを挿入している際には折りたたまれるので、カードを入れてないときに必要なものです。
修理は、折れたスプリングをほどいて欠損部分を補償することで行います。
 
(4)拡張メモリ(64M)の内容を参照できない。
特注の拡張メモリ。基板には66Mという表示がある。  内部拡張メモリを使用して、F:ドライブが作られていましたが、内容を参照しようとすると、「 file allocation bad drive F」と表示されて読むことができません。
原因は、メモリ部に複数の半田割れ(浮き)があったためでした。
おそらく衝撃によるものと思われます。 
割れ拡大166メガメモリのコネクタ部の半田割れ。写真の右上 拡大2 LSIの一部10本が全部半田割れで浮いていた
 
(5)ヒンジカバーの一部破損
ヒンジ部を覆うカバー。このカバーは見栄だけではなく、液晶へのケーブルを通すとともに、液晶のヒンジ自体を構成しています。  ヒンジカバーの下に隙間があったので外したところ、一部に割れがありました。
 修理は、接着剤によっておこないました。ヒンジカバー部の破損修理後
 
(6)ヒンジが、やや硬いので調整しました。
ヒンジが硬い 分解のついでに調整しました。
 調整参考
 
(7)ヒンジの支柱挿入部に割れがあったので補修 
  割れ参考
 
(8)液晶ラッチ部の補修
  補修参考
 
(9)補助電池(サブバッテリー)ホルダーの一部半田割れ
割れの例(この固体の写真ではない) 割れた部分の補修(補強銅線入り)  バックアップ電池とも言いますが、これのホルダーと基板を半田で止めた部分に割れがありました。
 修理は、単に再半田するだけでなく、補強のために半田吸取り線(銅網)を入れてあります。
(10)全体の清掃
分解清掃(これは本機の写真ではない。本機も同様に分解) キーボードも全部ばらして清掃しました。
(この写真は本機のものではありません。)
 
【組立て後、最終検査】
 RAMのテスト、電池電流のテスト、画面のテスト、外部電源がつかえるかなどを確かめます。
 尚、冷凍テスト後に電源が入らない不具合が出ました。(冷凍庫に10分入れた直後にのみ発生)
キーの信号を基板け伝える接続部。カーボンが相通のために塗られているが、白くかすれた部分で接触不良を起こしていた。 原因を探ると、キーコネクタ部のカーボン(炭素)電極面が削れて白く地肌が出ている部分がありました。
ここにカーボン塗料を塗布することで、冷凍テスト後も電源が入るようになりました。

めーる

All Rights Reserved, Copyright © Yazawa Kiyoshi 2003-2005

閉じる