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 hp200lx 旧2MB機のメモリー 増設(拡張基板1MBを4MBへ)()
旧(初期型)2MB 200LX機には、1MBのメモリ(RAM)拡張基板が挿入されています。
            (前期型、後期型の見分け方

この拡張基板(ドーターボード)には512KB RAMが2枚付いているので、主基板の1MB RAMと合計して2MBを構成しています。

拡張基板には空きが無いので、512KBチップを2MBチップに交換することにより容量を増やします。

交換するチップは全体の大きさと、ピンの数が異なるため、そのままでは取り付けることができず、半分は手配線が必要になります。
これは、とても神経を使う細かい仕事になります。

この拡張を行なった4MB拡張メモリ基板を、主メモリ1M(2MB機)の200LXに取り付けると、合計5MBになります。


 拡張例:
1Mの拡張基板
(1)1MB拡張基板(ドータボード)からチップを外す。
基板に悪影響を与えないように慎重に外します。
半田吸い取り線で半田を取れるだけ取ったのちに、足を一本ずつ外してゆきます。

上下のチップは同じように見えますが。下側は反転型(リバース)の形状になっており、上がKM416V256ALLT-8 下がKM416V256BLLTR-8と微妙に型番が違います。
パスコンを外す (2)下側のチップ横のパスコン(バイパスコンデンサ)を外す。
これは、新たに取り付ける2Mチップの形状が大きく、パスコンに当たってしまうためです。
取り付けるチップの足を一部曲げる (3)取り付ける2Mチップの足を加工します。
左半分は、そのまま元の配線と同じですが、右半分は位置がずれるため、手配線を行う必要があります。
このため、右半分は浮かせます。(ピンを水平に伸ばします)

下のチップは左を浮かしていますが、これは反転させて(裏返して)取り付けるためです。
必要な配線を行うリード線 (4)手配線に使うリード線を作る。
ホルマル線を3mm程度の間隔で被覆を溶かし半田の下処理します。
この線は、小型トランスやリレーから流用します。
リード線を予め基板に取り付ける (5−1)チップを外した基板の右側の端子に、リード線をつける。
  (空きランドには配線不要です。)
 9本  7本  7本  9本  合計32本
端子をカプトンテープで絶縁 (5−2)リード線を付けた端子は半田で盛り上がりが生じ、後から取り付けるメモリの足と接触する可能性があります。 
そこでこれを防止するために、カプトンテープ(マイラテープなどでも良い)で絶縁します。
2Mチップを取り付ける (6)2Mチップを取り付ける。
左側に合わせて半田付けします。 浮かせた右側の足には、リード線を用いて半田付けします。
A9信号線を引きだす (7)A9信号線は、基板上に配線されていないため、ピンへ直接這わせます。
全体の配線 (8)両チップのA9信号線を引き出し(接続し)、一本として裏面へ這わす。
ピン側にA9線を配線する (9)裏面に這わせたA9線を、ピンに直接接続する。
 この接続時には、拡張基板を主基板に取り付けた(差し込んだ)状態で半田付けすることが失敗しない「こつ」です。
 主基板に取り付けないでピンの半田を溶かすと、ピンが取れたり、根元から曲がって固まったりして接触不良を起こす可能性があります。
拡張2Mチップへの配線図 (10)配線図と比較して検査を行います。
頒布ご案内
 ◎参考文献:Mobile PC 1997年10月号 P60-63 (ソフトバンク株式会社)

裸線で直接接続 中央部の拡大 端部配線の詳細
 ホルマル線の処理に時間と神経を費やすので、細い素線(被覆の無い裸線)で直接接続してみました。
 線間で接触しそうですが、顕微鏡下では十分な間隔があります。

 ここでのこつは、配線部のICの足を極限まで短く切断することです。
 こうすることで、配線の余裕が生まれます。

 2個作ってみましたが、失敗無く作動しました。
 この接続方法は、100LXでのメモリ拡張でも一部使用していましたので、信頼性は確認されています。

 上の過程での(4)(5)が省略されますので、作業が楽になります。

 この後、エポキシで固めます。

 2009.08.03

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