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 hp100LX 1MB機のメモリー 増設(主基板1MBを5MBへ)()
1MB 100LX機には、拡張基板を挿入するためのコネクタがありません。
100LXでも後期型には、拡張基板や、コネクタのランド(コネクタを付ける端子パターン)がありますが、1MB 100LX機にはランド(land)さえありません。
このため、拡張基板(ドーターボード)を持っていても取り付けることができません。
そこで、主基板の1MB(0.5MB RAMが2枚)の上に2MBチップを重ねて、1+2+2=5MBとする改造です。

上乗せするチップは全体の大きさと、ピンの数が異なるため、そのままでは取り付けることができず、手配線が必要になります。(ホーネットからRAS線とA9線を取り出します。)

 拡張例:
改修前の100LX 1M基板 100LXの基板は、ROMが一つだけ(200LXは二つ)であるところが特徴です。
さらに1M機の場合には、拡張メモリを取り付ける設計がされていないので、拡張メモリ用コネクタの隙間がありません。(当然配線もありません。)

このため、メモリを増やすためには、既存のメモリに重ねることで拡張します。
(このあたりは200LXの初期型ドータボード上のメモリ拡張後期型カメカメ配線との両方の技術を使います。)


取り付けるチップの足を一部曲げる (1)取り付ける2MBチップの足を加工します。
左半分は、そのまま元の配線と同じですが、右半分は位置がずれるため、手配線を行う必要があります。
このため、右半分は浮かせます。

下のチップは左を浮かしていますが、これは反転させて(裏返して)取り付けるためです。
必要な配線を行うリード線 (2)手配線に使うリード線を作る。
ホルマル(エナメル)線を3mm程度の間隔で被覆を溶かし半田の下処理します。
取り付けた後に、次の半田部の真中で切ると、両端が下処理された状態になるので、半田メッキ処理の効率が良いです。
基板にメモリを載せて、配線 (3)チップを載せて配線する。
写真の上側に重ねるメモリは反転(ひっくり返し)で取り付けます。
この配置は、ドータボードの配線とは逆になるので注意が必要です。
写真の上下に現れる端子にはRAS線が含まれ、中になる部分はA9線の入る部分にあります。

(鉛筆でRAS、A9とメモしています。)

カメカメしたIC同士を結合
この写真は中央部の配線です。
まず、基板上のメモリから配線を出し、上のチップに配線。
その後、上下のチップを結線しています。
右から7番目にはA9線がつながります。
キーボード付近になるのではみ出さないように配線 下側RAS線が入る部分の配線です。
チップの左側は、カメカメですので、単なるハンダ付けではなく、細い線で上乗せ配線しています。

右側の配線はキーボードのコネクタ電極に近いので、はみ出さないようにメッキ線でICのボンディングのように配線しています。
被覆の無い線なので、最後に樹脂を入れて固定します。)
ホーネットからRASとA9線を引き出す (4)RAS線2本とA9線をホーネットから引き出し、チップへ接続します。
左から30番目がA9、 23番目がRAS2、24番目がRAS3です。(不確定ですが)
半田付けするときは、端子(足)の上部に半田した方が良いです。
下(基板部分)に半田すると足自体が取れ、自らの弾性によってずれてしまうことがあります。 そうすると再度正確に取り付けることが困難になります。
配線図 (5)配線図と比較して検査を行います。
この配線図は、前期型200LXでコネクタランドのみある200LX 1M機の場合のものですが、チップ部分は100LXも同じです。
改修前と、後の基板を対比 (6)仮に付けてテストした後に、テープで配線を保護します。
未改造の基板とならべてみました。
最終検査。 でOKを確認 (7)最終テスト
ESCキーを押しながら電源を入れると現れる自己テストで、RAMを検査します。
OKと表示されれば一応成功です。


 
メモリ側の配線 他の100LX(1MBタイプ)のメモリ拡張機会がありました。
今回は、RAS線、A9線の配線の色を変えてわかりやすいようにしました。

また、カメカメメモリ(メモリスタック)間の配線は、細いリード線のみで実施しました。(配線後はエポキシ接着剤で固めています。)

重ねたメモリの足(右半分)をできるだけ短く切って、配線空間を確保することがコツです。
CPU側の配線
左から数えて
23番目がRAS2 (電線白)
24番目がRAS3 (電線赤)
30番目A9です。 (電線緑)



 2009.07.15

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