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液晶の不具合の多くが、液晶裏(左側)にある接続部(コネクタ)の接触不良により発生します。
接触不良の原因は、次の2点によって生じると言えます。
原因(1)加圧スポンジが経年劣化により弾性を失い、液晶のわずかな歪みでスポンジが圧縮されても、戻らないことで、接触圧が低下する。
原因(2)同時に、スポンジとコネクタを固定する両面テープから粘着物が溶け出し(はみ出し)、接触圧が低下した接点部に侵入する。
従って、上記原因2点に対する対策をとれば、修理と改良になります。 |
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表示部から、液晶を取り除きコネクタ部分を示しています。 |
フレキ(コネクタ接点)を剥がすと、加圧スポンジが見えます。
(中にはフレキが接着剤で取り付けられたものがあります。 この場合は無理に剥がすと破れます。)
これを剥がし取り、新たにスポンジを取り付けます。
これで上記原因(1)に対する対策となります。
(スポンジは色々試した結果、戸当たり用の消音テープが良好です。)
厚さ3mm (株)ニトムズ製 E027、E028 合成ゴム、ポリエステル |
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フレキ上のコネクタ接点に付着した粘着物を取り除く。 |
フレキのコネクタには加圧スポンジと固定するために両面テープが使われており、これが長年の間に溶け出して、ベタベタになります。
ピンセットなどでゆっくり取り去ります。(乱暴に扱うとフレキが切れます)
溶け出した粘着物は、液晶側にも付着しますので、フレキ同様きれいにします。 |
綿棒にアルコールを付けてやさしく取り除きます。
付着が強固なときは、アクリルサンデー
(登録商標)を染み込ませると、簡単に取れます。
(成分:二塩化メチレン) |
これで、上記原因(2)に対する対策となります。 |
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これで表示が改善しない場合は、フレキの断線が疑われます。 |
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尚、最終型の200LXでは、スポンジの材質が変更されています。
色が、灰色から黒になっています。
フレキを剥がそうとすると、強固に着いていて取れません。
圧縮度が高く、経年劣化も少ないように思えます。
(S/N SG0100**** ) (追加2006.06.25) |
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この写真は、一年後のスポンジと新品のスポンジとの比較です。
約一年前の修理品を、別の故障で受領した際にスポンジの状況を調べたものです。
左のスポンジが2006.01.16日に交換したもの。
右側が2007.02.06現在の新品です。
ほぼ同じ厚みを維持していますので、代替材料として良好と思われます。
(スポンジは、使用中に約半分の厚みに圧縮された状態になります。 つまり一年間圧縮されたまま四季の温度変化を経たことになります。)
サイズ 5mm x 38mm
■部品頒布■ |
スポンジの寿命は5年が限度 |
写真では、コネクタの電極部を湾曲に曲げています。装着の際に面ではなく線接触させようとする試み。あまり効果ありません。 |
表示不良で、昔修理した200LXを受領いたしました。
原因は、スポンジでした。
前回修理は2005年8月でした。
丸6年持ったことになります。
スポンジですので、寿命ですね。
5年位で交換したほうが良さそうです。
他の部分も劣化しますので、2年に一度くらいはオーバーホールすることが理想です。
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液晶を横から見た切断図
図のように、スポンジの代わりにスプリングを横にして置けば、良い圧力手段になるかと思います。
圧力をかけたときにはスプリングが斜めになります。
こうすると、外部要因で圧せられても、スプリング力で元に戻ります。
スポンジの場合には、圧力が戻らない(圧せられたままの形状で固まる)ことがコネクタへの必要な圧力の低下を招き、接触不良となります。
最適な形状のスプリングを得ていませんが、そこまでする必要性は微妙です。
(2年ごとのオーバーホールでスポンジ交換するほうが良いと思います。 なぜなら、液晶部には、このコネクタの不良の他、液晶部ラッチ、液晶裏IC半田不良、右側ヒンジ調整不良、ひび割れなど生じるので、一緒に点検修理した方が良いためです。)
2011.10.12追加
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スポンジやスプリングを使う必要のない究極の修理 ⇒ 直接半田法 |
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