内蔵メモリーの増設(追加、拡張)改造につきましては、数種類の実例を示しています。
今回示す改造例は、200LX初期型の1MBから5MBへの改造です。
この改造は、1MB機の基板にコネクタを取り付け、拡張ボード(ドーター)を装着することで、5MBにする方法が普通です。
この方法は昔から行われ、書籍によると当時は4MBのドーターが37800円、コネクタ(ソケット)が5000円でした。 (HP 200LX hardware bible (SOFTBANK BOOKS) p335)
今回は、部品の入手が困難なことを考え、コネクタもドーターも用いず、基板に直接メモリを載せる(カメカメ)方法で改造いたしました。
100LXの1MBから5MBへの改造と似たような方法ですが、以下実例です。
前期型の200LXの基板では、500KB(0.5MB)のメモリが二つ取り付けられています。
100LXでも同じメモりが使われますが、装着方向が90度異なります。
一方(写真では左)のメモリは、表裏を逆にして配線することは他の改造と同様です。
取り付けるメモリは2MBの容量を持つものであり少し大き(長)いので、カメカメにすると、RAMの上部に達してしまいます。
したがいまして、この拡張法を取ると、RAMだけでなく、ROMを外すことも困難になります。
1MB機を、2MBに改造する場合であれば、同じ外形状のメモリを重ねるだけですので、このような問題はありません。
メモリをスタックし(重ね)た後に細線で配線します。 写真での右方にあるパスコン(セラミックキャパシタ)は、配線の邪魔になるので、少し移動させています。 ROMの上に被(かぶ)さっている状況も見えます。 |
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配線は、未絶縁の細線なので、細い半田ごてと顕微鏡が無いと、相当に難しいです。 線同志が接触すれば、短絡してしまいます。 今までのところ拡張後に、認識不良などの不具合はありません。 |
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上の配線図とほぼ同じ配置での写真を示します。 上がRAM、下が重ねたメモリ、右がソケットの空きランドになります。 引き出し線は、左右の2本がRAS、中央の赤色電線がA9になります。 |
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メモリを側面からみると、重なった状況がよくわかります。 | |
メモリの動作を確認後、立体配線部分を短絡防止のために、エポキシで固めます。 セメダインスーパーXでも良好です。 セメダインは、セメダイン(株)の登録商標第1813406号等です。 メモリ部品頒布:KM416V1204AT-L6 2010.09.20 |