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 hp200LX 故障例: 液晶のラッチ部が抜け出る。
(hp200LX trouble: Display latch missing. )
 液晶のラッチ部は、電池蓋の爪と並び、最初に壊れる部分と言えます。

 前回に、ラッチ部の最終的修理方法を示しましたが、それでも長期使用には無理があるようです。

 修理により、ラッチの保持状態が良くなることが逆に仇となって、脚部が割れ、ラッチごと抜け出てしまう例がありました。

 さらに改良を試みます。(ただしこの方法は、他の修理方法がとれない場合の最終手段です。)
 
 液晶ラッチが、きれいに嵌(まは)り合うと、急いでいるときなど、ラッチが外れていない状態で液晶が開かれる(開いてしまう)ことがあります。

 この場合、液晶を開こうとする力が、てこのようにラッチ部に集中し、補強により強くなった脚部でさえ耐えられない状態になるようです。

 結局のところ、完璧な保持力(ラッチ)を求めることは無用な破損を招くことになりそうです。
 ほどほどが良いようです。

 この修理例は、ラッチ部が抜け出さないことを主に考えた補修です。
 
液晶のラッチ部が紛失する  これが、液晶のラッチ部が抜け出て、紛失した状態です。
 表示機能には支障ありませんが、外観が良くありません。
 

液晶の開け閉めで、ラッチ部にかかる応力 脚部が壊れたラッチ部  ラッチ部は、外に現れる部分のほかに、内部に脚部があり、ここでラッチを保持するとともに、バネ力を与えています。

 具体的には、支点A-A'によって保持され、押すたびにB-B`の回転力がかかります。これは脚部をねじる形になりますので、バネ力が生じます。

 またラッチが液晶を保持(開かないよう)する力が、C-C`として根元にかかります。(写真左)

 結果として脚部は破損し、ラッチは引っかかりを無くし、わずかな隙間から抜け出てしまいます。(写真右)

突起を切除する ピアノ線を加工 ピアノ線を取り付ける
 そこで、抜けることがなく、かつ適所で保持され、スプリング力も持たせる修理法として、ピアノ線を用います。
 0.35mmのピアノ線を写真のように曲げて、プラリペアで固めます。

ポストに当たる部分をトリムする 仮に入れて様子を見る 硬貨後の外観

 プラリペアが完全に固まらないうちに、ポストに当たる部分を除去します。(写真左)

 硬化(最低30分。できれば1日)したのちに、仮付けし、様子を見ます。

仮に装着してみる 上部に出すぎている  実際に組んでみますと、液晶の上方に突出(はみだす)しています。

 このままですと、ラッチが強くかみ合いすぎます。
 保持力は良いのですが、無用な力を与えてしまいます。
ピアノ線を曲げて調整する 最終段階  適度(ほどほど)の保持力(かみ合い)を持たせるために、ラッチの側部(よこ方向)のピアノ線を曲げて調整します。
 写真右が調整後です。
 上の写真と比較してみると突出(でっぱり)が無くなっていることがわかります。

 2009.02.22

めーる

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