hp200LX 故障例:電池交換の際に、メモリ内容が消える。 hp200LX trouble report : Memory is cleared when replacing main battery. |
今回のトラブル(故障、trouble)は、電池を交換すると、C:ドライブ(RAMドライブ)の内容が消えてしまうというものです。 正常表示のメニュー画面 主電池(単三)を抜くと、初期画面になってしまう。 200LXでは電池を抜いても、RAM(ランダム・アクセス・メモリ、書き換え可能な一時保持メモリ)の内容が消えないように、バックアップ電池が搭載されています。 この電池の電圧が低下すると、「BKUP BATTERY LOW−PRESS ESC」の警報表示(Warning message)が出るので、バックアップ電池の交換時期がわかります。 ところが、今回の事例では、メモリバックアップ電池に関する表示(警報)は無く、当然バックアップ電池を交換しても同様に主電池を抜くと内容が消えてしまいます。 つまり、バックアップ電池の電圧検知回路は正常に動作しているものの、肝腎のメモリ保持電圧が供給されていないような状況です。 部品の半田割れ 補助電池(backup battery)のホルダ付近を点検すると、半田の割れ(soldering crack)のある部品が見つかりました。 部品を外す。 半田割れのある部品を外すと、102Jと記載されており、形からインダクタ(コイル)のようです。 計測する。 LCRメータ(誘導・静電容量、抵抗計)で計ると、1.08mH(ミリヘンリー)が表示され、正常のようです。 半田付けして戻す。 元の位置に戻して、半田付けすることで正常になりました。 (電池を外しても、Cドライブは保持され、初期画面になることは無い。) 原因の考察 インダクタは基板の角に位置する。 今回外れかかっ(電気的に切れ)ていた部品は、本体に装着された場合に、ちょうど角に位置しています。 おそらく、落下等の衝撃で、本体ケースが歪み、部品(インダクタ)に強い力(ショック)が加わって半田が外れたものと思われます。 他の同様例 落下等のショックと思われる部品の外れによる、他の例としてダイオードの外れがあります。 半田だけの不良(外れ)であれば、何度でも正常に戻すことができます。 200LXは丈夫な機械だと思います。 2010.05.10 |
(2012.01.19追加) 他の個体の例です。 ヒンジ部の分離で、受領したものですが、インダクタにあきらかな傾きが見られます。 電気的には接続されているため、これに関する症状はありません。 たまたま発見したものです。 やはり、視認(visual inspection)は重要だと再認識させられます。 このインダクタ(コイル部品)を外して点検してみました。 電極部は横幅いっぱいに広がった板状で、単にゆがんでいる状態でした。 したがって、半田は横幅の半分程度が浮いていたものの、導通(電気的な接続)、固定ともに問題ない状況でした。 せっかく傾いていたので、そのまま傾いた状態で再取り付けしました。 (筐体からの逃げを生かした取り付けとしました。) すなわち、この部分に傾きがあっても、がたつき(動き)がなければ外すまではなく、浮いた電極部半田を盛ればよい状況といえます。 |
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