hp200LX 設定例:ドライバの組み込み方法。 hp200LX Repair: How to built in the driver.) |
ここでの説明は、ドライバの組み込み方の一例です。 日本語化ソフトを入れたまま、設定をご自分でせずに使っているような場合には、 ソフトの再インストールや、故障時の復帰で困ってしまうことがあるかと思います。 それは、200LXは初期のパソコンであるため、DOS(ドス)のパソコンを使って自分で設定したことがなければ、ほとんど復旧できないからです。 昔、PC9801というNECのDOSパソコンが日本での標準であったころに、DOS/V(IBM)パソコンという、米国のパソコンが入ってきたときを思い出します。
ショップで買って来たDOS/Vパソコンのハードディスク(HDD)を初期化してしまうと、もう日本語を表示することができないのです。 その時に、必要だったのは機械(ハードウエア)に対する知識ではなく、ドライバ(日本語化フォント)を組み込むという、ソフトウエア上の知識でした。 日本語を表示させるということに限らず、ハードディスクを追加するために、SCSI(スカジー)ドライバを「入れたり、モデムを認識させるために、ドライバを入れたり、ハード(拡張機器)を使うためには、いちいち専用のドライバが必要でした。 ms-dos v5(version5.0)や、数々のドライバソフトが入ったFD(フロッピーディスク) 200LXは、まさに DOS/V パソコンであり、使いこなすにはドライバ組み込みの知識が必要です。 MS-DOS version5.00と表示されるhp200LX画面 Windows(ウインドウズ)やMAC OS(マック オーエス)が一般的になり、DOSV(ドスブイ)の知識が不要になった現在に、DOSVの知識を得よと言われても、とてもやる(勉強する)気にはなりません。 DOSを知っている人でも、同じようなLINUX(リナックス、リーヌクス)の知識を今から得てくださいと言われれば躊躇するでしょう。
200LXを使いこなすには、すでにDOSVパソコンを知っていることが前提となるので、単独でわかりやすい説明がしにくい機械であると言えます。 このこと(DOSを知らなければならない)が、200LXの広い普及を阻(はば)んでいた(いる)であろうことが容易に想像されます。 |
||||||
前置きが長くなりました。 以下、ドライバ組み込みの一例として、倍速改造後に表示が乱れることを修正する「倍速ドライバ」の組み込み例です。 他のドライバ(日本語化ドライバ、バックライト制御ドライバなど)も組み込み(導入)方法は同じです。) (1)ドライバの用意 倍速ドライバは、 HARUYA’s homepageさんのフリーソフトが使いやすいです。 http://www.asahi-net.or.jp/~mm8h-mr/Software/Software.html ⇒リンク切れになっています。 ⇒入手法 ここで、●31/32/36MHz CLOCK UP DRIVER for HP100LX/HP200LX をクリックして、CLKUPDRV.LZH(12.7KB)をダウンロードし、解凍します。 HARUYAさん作のドライバ各種 この中から、改造で取り付けた水晶に合ったドライバを、200LXで使うカードA:(エイドライブ)にコピー(複写)します。(CLKUP.DOCに記された説明を読むと良いでしょう。) ここでは、クロックアップドライバとしてclkup32a.sys をコピーしておきます。 普通にマウスを使ってドラッグアンドドロップでUSBにつないだメモリカードにコピーして大丈夫です。 >ドライバ入手法 (2)ドライバの指定(config.sysの書き換え) ドライバを指定するとは、要するに立ち上げ(boot、ブート)時に読み込まれるドライバを指示する(組み込む)操作です。 DOSでは、立ち上がり時に、環境設定指示(config.sys)と、自動実行指示(autoexec.bat)が読まれ、その指示通りにパソコンが設定されます。 200LXでは、AドライブとCドライブとの両方にconfig.sysがあるときは、先にAドライブから読まれるように、バイオス(BIOS、基本ソフト)で指示(規定)されています。 config.sys:コンフィグシス system configure (装置の概要)の意味 autoexec.bat:オートエグゼクバッチ automatic execution batch 自動実行作業の意味 どちらもテキスト形式で記載された指示ですので、200LXに最初から入っているMEMOで編集(書き換え)できます。 200LXのメモ(memo)で、config.sysを開く メモ帳(内蔵ソフト「memo」)でa:\config.sysと指定して、カード上にあるconfig.sysを編集する。 a:\config.sysが開く。 config.sysの内容(倍速ドライバ組み込み前) -------------------------------- buffers=5 files=20 lastdrive=j rem add by O.S.W device=A:\jkit\lxjex.sys device=A:\jkit\lxemm.exe device=A:\jkit\lxfont.exe device=A:\jkit\lxdspd.exe device=A:\jkit\lxansi.exe device=A:\jkit\lxkkc.sys rem use only FULL SET device=A:\wx2\wxk.sys /a1 device=A:\wx2\wx2.sys /a1 /dA:\wx2s.dic -------------------------------- これらはJKIT(ジェイキット、オカヤ製日本語化ソフト)を入れた際に自動的に作られたconfig.sysです。 一行ずつ意味があります。 remと記載されている行は、メモ書きであり、無視されます。 ドライバを追加指定する。まだクロックアップドライバが組まれていないので、左側に乱れた表示が表れている。 リセット後に組み込まれる。 先ほどカードにコピーしておいたクロックアップドライバclkup32a.sysを指定します。 指定というのは、 device=a:\clkup32a.sys という一行を書き加えるということです。 倍速(クロックアップ)ドライバを組み込んだ後のA:\config.sysの内容 -------------------------------- buffers=5 files=20 lastdrive=j rem add by O.S.W device=a:\clkup32a.sys device=A:\jkit\lxjex.sys device=A:\jkit\lxemm.exe device=A:\jkit\lxfont.exe device=A:\jkit\lxdspd.exe device=A:\jkit\lxansi.exe device=A:\jkit\lxkkc.sys rem use only FULL SET device=A:\wx2\wxk.sys /a1 device=A:\wx2\wx2.sys /a1 /dA:\wx2s.dic -------------------------------- ドライバを記載したら、変更を適用させるために、必ず保存します。 拡張子は変更しないで、config.sysのままとします。 memoでの編集後は保存させる。 config.sys変更後には、ソフトリセット(ctrl + alt + del キー)させて、再立ち上げ(ブート)させます。 ブート中に倍速ドライバが組み込まれると、乱れた表示が解消される。 ブート(再起動)させると、config..sys 上のclkup32a.sys が読まれたころに、表示の乱れが解消されます。 個体によっては、倍速ドライバを入れない場合、乱れがひどく文字が重なって、全く判読できない状態になります。 その場合には、200LXでのmemoも表示が乱れて読めず編集困難になるので、Windows上のメモ帳で編集すれば良いです。 device=a:\clkup32a.sys の意味は、Aドライブのルート上(直下)にある、clkup32a.sysをデバイス(装置)として組み込みなさいという命令です。 従って、ドライバがどこにあるか(置いてあるか)によって、指定の記載を変えます。 例: AドライブのJKITというフォルダにclkup32a.sysがあるときには、 device=a:\jkit\clkup32a.sys となります。 また C:ドライブのclkupというフォルダに入れていれば、 device=c:\clkup\clkup32a.sys となります。 config.sysの記載には、必ず英数半角文字を使います。 (日本語全角では、認識されません。) config.sysの実例 単純な例 buffers=5 files=20 lastdrive=j device=c:clkup31m.sys 日本語入力にATOK8を使い、ACECARD3で大容量メモリカードを使う例 buffers=5 files=20 lastdrive=j rem add by O.S.W device=C:\clkup\clkup31m.sys rem device=a:\clkup\clkup31m.sys device=c:\jkit\memchk.exe device=C:\jkit\lxjex.sys device=C:\jkit\lxemm.exe device=C:\jkit\lxfont.exe device=C:\jkit\lxdspd.exe device=C:\jkit\lxansi.exe device=C:\atok8\atok8a.sys /d1=c:\atok8\atok8.dic /UCF=C:\atok8\ATOK8.UCF DEVICE=C:\atok8\ATOK8B.SYS DEVICE=C:\atok8\ATOK8fix.exe device=C:\atok8\atok8ex.sys device=C:\bin\ACECARD3.COM /SDP JKITを使わない例 files=24 buffers=8 device=a:\sys\kkcfake.sys device=a:\dev\fontman.exe -fa:\dev\fontman.ini -b10 device=a:\dev\yadc.exe -bd device=a:\dev\pansi.sys rem device=a:\arashi\arashiv.sys a:\arashi\dosv.cfg device=a:\dos2\msimek.sys /a1 device=a:\dos2\msime.sys /d*a:\dos2\msimer.dic /c1 /n /a1 /da:\dos2\msime.dic メモを入れてわかりやすくした例 buffers=5 files=20 lastdrive=j device=a:\clkup\clkup31m.sys rem ====add jkit ========== device=a:\jkit\lxjex.sys device=a:\jkit\lxemm.exe device=a:\jkit\lxfont.exe device=a:\jkit\lxdspd.exe device=a:\jkit\lxansi.exe REM device=A:\jkit\lxkkc.sys rem ===jamドライブ組込========== rem device=a:\jam\jam.sys /a=4 /b=1 rem device=a:\jam\jmount.com a:\jamdrv rem use only FULL SET======= REM device=A:\wx2\wxk.sys /a1 REM device=A:\wx2\wx2.sys /a1 /dA:\wx2s.dic DEVICE=a:\ATOK8\ATOK8A.SYS /UCF=a:\ATOK8\ATOK8.UCF /D=a:\ATOK8\ATOK8.DIC DEVICE=a:\ATOK8\ATOK8B.SYS DEVICE=a:\ATOK8\ATOK8EX.SYS 倍速ドライバとバックライトドライバだけ(テスト用)の例 rem device=c:\clkupdrv\clkup31a.sys device=c:\clkupdrv\clkup32a.sys rem device=c:\clkupdrv\clkup36d.sys rem device=c:\clkupdrv\clkup40d.sys device=c:\bklt\blsw.sys 日本語表示はJKITを使わず、FEP(日本語入力)にはWX2を使用した例 buffers=20 files=30 lastdrive=J shell=d:\dos\command.com /p /e:512 device=a:\dos_c\emm200.exe c:\emm200.dat device=a:\dos_c\pansi.sys device=a:\dos_c\fontman.exe -fa:\dos_c\fontman.ini device=a:\dos_c\yadc.exe -v70 -b+ -6- -av -v8,14 -d14,14 -l14 device=a:\dos_c\kkcfunc.sys device=a:\wx2\wxk.sys /a1 device=a:\wx2\wx2.sys /a1 /VF /N /dA:\wx2s.dic 行頭に倍速ドライバを置いた例 device=a:\clkup\clkup31m.sys buffers=5 files=15 lastdrive=j shell=d:\dos\command.com d:\dos /p /e:512 device=a:\jkit\lxjex.sys device=a:\jkit\lxemm.exe device=a:\jkit\lxfont.exe device=a:\jkit\lxdspd.exe -e:8 device=a:\jkit\lxansi.exe device=a:\jkit\sleeples.sys device=a:\jkit\lxkkc.sys device=a:\wx2\wxk.sys /a1 device=a:\wx2\wx2.sys /D*a:\wx2\wx2.dic /da:\wx2\wx2u.dic /ufa:\wx2\wx2u.cfg /n /a1 device=a:\jkit\wcdat.sys 2010.06.12 |
||||||
[ WINDOWS ]は、米マイクロソフト コーポレーションの登録商標第4648301号等、 [ MS-DOS ]は、米マイクロソフト コーポレーションの登録商標第2016333号等、 [ フロッピー、FROPY]は、株式会社日立製作所の登録商標第2710256号 [ ATOK、エイトック]は、 株式会社 ジャストシステムの登録商標第2146591号等です。 |
||||||
All Rights Reserved, Copyright © Yazawa Kiyoshi 2010 |