表示の横抜けの修理例です。
横抜けは、様々な発生理由があり、数十例の経験がありますが直らない例もあります。
今回の症状は、他の故障理由での修理品で、完成後梱包前のテストで発生したものです。
再度分解して液晶を取り出したところ、液晶の右側フレキを触ると直ったため、発送しました。
ところが、すぐに表示不良で返送されました。
横抜けは下部にあり、もやもやと現れたり消えたりと、変化しています。 |
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原因は液晶側のフレキ(フレキシブルケーブル)部であることは解っているため、液晶を外し、フレキと基板との接続部を詳細確認してみました。 かなり大きく(広く)めくれる状態ですが、直接の不具合は確認できません。 |
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写真では液晶の金枠 を外していますが、 結果的には不要で した。 |
不具合が確認できないため、対処がありません。 ただし、フレキを上から押さえると、横抜けが変化するので、この辺りの接触が悪いことが予想できます。 以前参考にしていた、ダニエル氏のホームページに、フレキの上からアイロンを当てて横抜けを修理する写真があったことを思いだしました。 この際、効果があるかもしれないと試してみました。 ただし以前にも試したことはあったのですが、その時は効果がありませんでした。 今回も、当初は全く効果が無く、あきらめようとしました。 なにしろ、温度も圧力も時間も適切でなければ効果が無いばかりでなく、確実に破壊します。 最後に、アイロンを強めに10秒間当ててみましたら、みごとに横抜けが消えました。 |
アイロンの台はダンボール箱とし、フレキ上には4つ折りにしたA4用紙を当てています。 温度を参考のために測定しました。 簡易赤外線温度計で174.8C(摂氏174.8度)を示しました。 アイロンは温度設定HI(高)でスチームは切っています。 (ナショナルスチームアイロンNI-U3R 100V 1000W) |
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液晶を組み上げた後も、正常表示が持続しました。 修理実例として参考になれば幸いです。 2010.08.03 タイムスタンプ |