長年使っていると、プラスティックの筐体は、あちこちが割れてきます。
筐体は代替できないので、割れはこまめに直してゆくしかありません。
割れは初期段階で手当することで、比較的きれいに補修できます
以下は、良くある筐体割れの一例です。
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![後ろ側部の浮き割れ](crack/rear_side/crack_rear_side.jpg) |
![別の角度からの割れの詳細](crack/rear_side/crack_rear_side1.jpg) |
割れは、筐体(きょうたい)後ろの、特定部分に良く発生します。
写真は同じ割れ部に対し、角度を変えて写したものです。 |
![割れ部の分解](crack/rear_side/crack_detail.jpg) |
ここは、ヒンジの左側になります。
分解すると、割れは大きく全体にわたっていることがわかります。
この部分だけ、薄くなっており、ちょうど厚みの変わるところに割れが入ります。
200LX全体の曲がりの応力が集中しやすいようです。
もう一カ所、右側のヒンジ部にも同様の割れが発生します。
(写真無し) |
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![接着剤を滴下](crack/rear_side/adheshive.jpg) |
![割れをまたぐように穴を開ける](crack/rear_side/drilling.jpg) |
補修では、まず接着剤を流し(写真左)、
割れをまたぐように、補強線を入れる穴をドリルで開けます。(写真右) |
![ピアノ線を曲げて補強材を作る](crack/rear_side/wire_bend.jpg) |
![開けた穴に補強材を挿入](crack/rear_side/wire_inst.jpg) |
補強線は、0.35mmのピアノ線を曲げて作ります。(写真左)
それを上で開けた穴に挿入します。(写真右) |
![](crack/rear_side/powdering.jpg) |
![](crack/rear_side/liquid.jpg) |
次に、ピアノ線を隠すようにプラリペア
(登録商標)の粉を置き、(写真左)
溶解液を滴下します。(写真右) |
![](crack/rear_side/trimming.jpg) |
ヒンジ筒が填(は)め込まれる溝に入ったプラリペア
は、硬化しないうちに取り除きます。 |
![ラッチ材の大きさを調整](crack/rear_side/lock_trim.jpg) |
![ラッチ材を挿入したところ](crack/rear_side/after_lock.jpg) |
割れが、入る一因として、ラッチ部材(白いプラスチック片)が大きすぎる点を挙げることができます。
これによりラッチ部材は、ヒンジ筒を広げる方向に過剰に作用し、結果として筐体に無用な力を与えます。
そこで、少し切除して直径を小さくします。(写真左) |
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![修理後の外観](crack/rear_side/after_repair1.jpg) |
![修理後の別の角度による外観](crack/rear_side/after_repair.jpg) |
左の写真は、補修後の外観です。
割れのあった筋は残りますが、指で触っても解らない程度になり、強度も相当上がっています。
(2007.10.23) |