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 hp200LX 補修例:キーの文字消えを修復する。
hp200LX Repair: A letter of keytop disappeared in abrasion..)

 今回はキーボードの文字消えを修理してみました。

 キ−の文字消え 
 0(オー)と、K(ケイ)の表示が消えかかっているキーボード。
  Enterも消えています。

 これは、自分で使っている200LXなのですが、いつのまにか文字表示が消えてきました。
 表示が見えなくても、それほど困らないのですが、意外に打ちにくいときがあります。

 簡単に修復できると考えていたのですが、やってみると修復した文字が、すぐに消え(剥がれ)てしまいます。 
 また、ニスなどの透明コート剤では、溶剤によりインスタントレタリングが溶けてしまいます。
 
 文字の上を、エポキシ接着剤や透明テープで皮膜してみたのですが、 微妙に指にひっかかり、すぐに剥がれてしまいます。
 
 考えてみれば、もともとかなり強固に記録(記入)された文字が消えてしまったわけですから、使用に耐える修復とするには、オリジナル(新品状態)よりもさらに丈夫な文字入れを要求されるわけです。


 
レジン(透明樹脂を使用してみる。)

 そこで、もう少ししっかりとした材料を使ってみることにしました。
 たまたま買い置きしてあった透明樹脂(ET高透明樹脂 Devcon)です。
 電子秤で調合 ビニール袋で攪拌

 使う量があまりにも少ないので、調合(主剤2:硬化剤1)を小さなビニール袋で行ってみました。
 これが使いやすく、また仕上がりも良好です。
表面を削る 使用したインスタントレタリング 文字を移す
 まず、キーの表面を削って、残りの文字を消すとともに、樹脂の乗りを良くさせます。
 皮膜を厚くするために、多めに表面を削ります。

 レタリングしたキーを皮膜する
 次に、インスタントレタリングで文字を置き、樹脂を乗せます。

 このときに、攪拌したビニール袋の隅を切るだけで、筆も要らず、手も汚れず使い勝手良好です。
 皮膜は、表面だけでなく、横方向にも被せるように塗ります。
 
 インスタントレタリングは、DECAdry (No11, 10pt,0.098inch, 2.5mm)を使用しました。
 200LXのキー文字は、全部同じようですが、個体により太さや角度などに若干の違いがあるものもあります。
 
 修理間違え キーの文字を間違える。

 皮膜処理から1日置いて、状態を見ると、かなり堅牢な皮膜が形成されました。
 まだすこし粘(ねば)つきますが、冬なので気温が低く、完全硬化までに時間がかかるのでしょう。
 使用には、支障ありません。
 (数日以上置いた方が良いです。 表面がネバ付くようでは早すぎます。 2011.10追加)

 硬化後、よく見ると「O」と「K」が逆です。
 
 もう被覆は直せません。
 
キーを切り取る テープで固定させて接着剤を盛る 乾燥(硬化)後の状態
 それならばと、キーそのものを切り取って、入れ替えます。
 カッターで根元から切り、マスキングテープで固定させて、接着剤を盛ります。
 硬化まで、また1日置きます。
  
 
修正後 最終完成(補修)状態

 結果的に良好なキー文字の修復ができました。

 しかし後半からは、キー文字の補修は、予備機(故障機)からキーを取って乗せかえれば良いということになってしまいました。
 あるいはキーボード全体を入れ替えれば、もっと容易に目的を果たせるので、この作業(文字修復)は不要ということになります。

 一応修理できるという情報です。

  2010.02.20


 キーの文字消えの修復 
 レタリングの被覆(coating)に、使う材料

ソフト99 光硬化パテ
 ソフト99 光硬化パテ

 キーの文字修復用には、紫外線硬化パテの方が、扱いやすく透明度も良いです。
 レタリング文字も溶けません。 
紫外線UVパテ

 一液でありながら、長期間保管しても固まったり、減ったりせず扱いやすい。
 2mmまでの車のボディ傷修復用であり、表面強度十分。
 銀紙入りの光を遮断した袋に入っています。
光硬化パテを被覆として使う
 「ENTER」の文字が完全に消えたキーの表面に、「ENT」のレタリング
 光硬化パテの被覆硬化後です。 
 なお、太陽光線下に30分置きました。
 (若干黄ばんだ感じで硬化しました。)

紫外線で発光
 紫外線ランプでも硬化するのではないかと、紫外線LEDの光を当ててみましたが、効果のある硬化はしませんでした。(弱すぎるのでしょう) 
 ただし、暗闇では、接着剤が紫外線で発光することを知りました。
 これにより、必要部分以外に付着したUVパテの存在が、すぐにわかります。
 (硬化前は水のようなので、拭き取れる。)

 注意:実験で、室内光下に置いた場合、固まるかの実験をしました。
     結果は、全く固まりません。 それどころか、再度太陽光下においても硬化しません。
  まるで、紫外線硬化成分が揮発し(抜け)てしまったようです。
  従って、出したあとはすぐに太陽光に当てた方がよさそうです。
  説明書を読むと、使い始めにチューブから出る透明な液は硬化しないとあります。
  分離する成分が入っているようです。
  なお、成分はアクリル・エポキシ系樹脂とあります。


裏面説明より引用
硬化の目安 ・太陽光(晴天):約5分〜20分(太陽光の量、角度によって異なります。)
         ・太陽光(曇り):約40分〜(太陽光の量が少ないと硬化しないことがあります)




 エポキシ接着剤もレタリングを溶かさないので使えそうですが、
 なかなか良いものがありません。
 透明度が低かったり、はがれやすかったり、柔らかくて指にひっかかったりです。
 ですが、使えるエポキシ接着剤もあります。 たとえばエクセル エポです。
 エポキシ接着剤を被服として使う
  「I」キーに レタリングで I の字を置き、エクセルエポで被覆させています。
  表面はつるつるしており、指に引っかかる感じはありません。
  良く見ると小さな泡が入っていることがわかります。
  これは、攪拌時に注意すれば良いかと思います。

  この他にも被覆に良好な材料はあるかと思います。
  キーがかすれてきた段階で被覆すれば、より楽な修理となるかと思います。
  もっとも、複数のキーが完全に消えた段階でも、なんら苦も無く使用されている方もおります。

  2011.10追加
 

めーる

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