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 hp200LX故障例 ONキーが作動しない。(オンにならない。)原因はキーボード導電線の高抵抗
( hp200LX trouble repair: [On] key was inoperative due to keyboard conductive pattern has high resistance.)
 この不具合例は、単に電源が入りにくくなり、ついにはONキーが全く反応しなくなったものです。
 原因は、キーボード内の印刷配線不良です。
 不思議なことに、ONキーのライン(配線)だけが複数の箇所でオープン(断線)または高抵抗を示していました。
 修理では、断線部分を細線でジャンプ(迂回)し、高抵抗部分を導電塗料で塗り直しました。
 基本的にテスタで導通状態(不具合状況)を確認できるので、修理は難しくありません。
 ただし、キーパッド押圧(おうあつ)部分は、導電塗料の剥がれ、短絡が無いよう注意が必要です。

キーボードを分解する まず、キーボードを分解し、導電パターンシートを取り出します。
(写真内下)

次に、ONキー(右上端部)のパターンから、下部のコネクタ部までの導通を確認します。
正常であれば、数10KΩ(キロオーム)です。
パターンを追ってっゆくには、キーボード内部(裏面)の配線を知る必要があります。
ジャンプの左側部分の終端 ジャンプ部の外観 ジャンプの右側部分の終端
 検査の結果、オンキーの下側配線から、コネクタの左から4番目への配線がオープン(開放)状態でした。  開放(断線)位置は、基板の裏面でした。   パターンを塗り直すには、裏面のシールドを剥がさなくてはなりません。 シールドを剥がす際に無用な損傷を生ずる恐れがあるので、配線をジャンプしてバイパス(迂回)することにしました。
 ジャンプには、細いホルマル線を使い、両端部は導電塗料で導電接着(導電塗料を接着剤のように使用)しました。
 

ジャンプ部の裏面 ジャンプ部の裏面詳細 写真左はパターンシート裏面における迂回線の這わせ状況、右はキーボードキャップ部の填め込み(はめこみ)ピンの状況です。

つまり、ジャンプ配線は、ピンとシート上の穴との間にできた隙間より十分細いことを示しおり、ジャンプによる打鍵への物理的影響はありません。

高抵抗を示す配線部分の再塗装1 高抵抗を示す配線部分の再塗装2 上記ジャンプしたものの、まだ抵抗が高めです。
組み立てても、ONになりません。

写真左、写真右のパターン部両方で数百KΩありましたので、導電塗料を塗りました。
(塗料が完全に乾くまでは抵抗が高いので注意します。)

キーパッドのON部分の導電体が損耗している 損耗部の再生 onキーが作動しなくなったためでしょう、キーを強く押されたために、オンキー部分の導電塗料が摩滅しています。

そこで、当部分も再生します。

(導電塗料を塗る際には、十分かき混ぜ(攪拌し)て使用しないと、乾かず、導電性も出ないことがあります。)

シートのON部分の損耗修復 シートのON部分の損耗修復詳細 シート上の配線を再生する際は、塗る部分以外を十分にマスキング(遮蔽)して、短絡しないように気を付けます。

オンキー作動時の抵抗を測定する。 約20KΩを示す正常値 最終的に、左の写真のようにコネクタの電極で測定し、ONキー部分を軽く押したときに、数10KΩ確保できれば、修復成功です。
(テスタを当てる部分は、左(写真では上)から4番目と右(写真では下)から5番目)

(抵抗値は固体間で差があります。)

(2007.12.30)

めーる

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