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反射型液晶を使ったノートパソコン用外付けディスプレーの製作

 反射型液晶という種類の液晶を搭載したノートパソコンが、過去に発売されていました。
 個人的には非常に使いやす(見やす)いので、6台程度所有していました。
  (新品のほか、中古店や、オークションで中古品を入手)
 
 反射型ですので、バックライトがありません。
 このため、低消費電力(長時間電池使用)が売り文句でした。
 さらに、直射日光の下でも鮮明に見えるという大きな利点があります。
 
 ところが、反射率は書籍ほど高くないので、暗い室内などではよく見えません。
 このため、オークションでは「バックライト切れ」などと記されていたものがあったほどです。
 
 当然、店頭でも画面の明るい普通のバックライト液晶式ノートパソコンと比べて、見栄えが悪く、本来の良さを伝えられず、販売では苦戦していたようです。
 以来数年で反射型液晶搭載ノートは世の中から消えてしまいました。
 (NEC lavieMX LX60T51EC, Versa pro VA50HTR, Sony VAIO PCG-C2-GPS , シャープでも出していました。)
 
 反射型液晶を説明している方のサイト http://www.cory.jp/env/mint.010614.html
 
 個人的には、反射型液晶はパソコン独特の目の疲れが全く無いということを実感しており、絶対に手放せない存在です。

 バックライトを使わない液晶を長時間見つめても、目が疲れない。 という事実は、電子書籍リーダーのキンドルなどに電子ペーパーが使われていることからも明らかです。

 電子ペーパーは、バックライトを使わず反射式です。 (電子ペーパーは、反射型液晶より反射率が高いので見やすいものの、カラーや動画の再生性能に劣ります。)
 
 日本の液晶メーカーさんには、カラー表示や動画再生性能に優れる反射型液晶を、さらに反射率を高める方向で技術開発を行ってほしい希望があります。
 

 開発を待っている間に、本体性能が陳腐化してしまいました。

 この際、表示部だけをはずして、他のパソコンに取り付けられれば良いと考えてみました。
 以下は個人でできる対策(開発)としての、ポータブル(可搬式)反射型ディスプレーです。
 
 特徴は、電源をUSBから取り、接続はアナログVGAコネクタ(RGBコネクタ、外部ディスプレー端子)だけというシンプルな構成にしたことです。
 
 これにより、最新式のノートパソコンが、まるで反射型液晶搭載機のようになります。
 
 普通のユーザーには、反射型液晶の良さはわからないと思います。
 単に、携帯式外付けディスプレーの作りかたとして見ていただければ幸いです。
 2画面化ができるわけですから、対面での商品説明などにも便利です。

 
 

改造例 

 
組み込み前の表示テスト  液晶単体(P/N EDTCB29QB0 10.4インチ 松下電器社製)を、外付けディスプレーとして使用するために、VGA信号(パソコンからの表示用信号)を、液晶用信号に変換する基板が、各種提供されています。

ここで使用したものは、IMO-LVDSという基板です。
aitendoというネットショップ店で購入(LVDS 1ch6bit:LVDS信号1ch/6bit、解像度:SVGAで注文)

 この写真ではUSB電源として、携帯用の充電池を使用しています。
 左下に見える黒い箱は、ディスプレー拡張アダプタ「サインはVGA」です。
 
 >詳細結線図

 
 参考:IMO-LVDSでXGAディスプレーを作動させている方のサイト
 (2014.02.12写真が見えなくなています。)

  
 液晶のSPEC(スペック、規格)がわかるサイト
 http://www.agpartsworldwide.com/lcd_specs/EDTCB29QB0.pdf
  リンク切れしています。
 www.invertercentral.com/specsheets/EDTCB29QB0.pdf
   ここで読めます。 (2011.01.12追加)
 
基板の高さを低くする  この基板には、もともとバックライト点灯用インバーターへの回路や、各種コネクタが取り付けられており、入力電圧は12[v](ボルト)になっています。 
  しかし、バックライトは使わないし、液晶は3.3[v]で駆動するので、5[v]で駆動できないものかと試験したところ、良好に作動しました。 
これでパソコンのUSBから液晶駆動電源を得られます。
基板を削って突起を除去  また、電源や、位置等調整スイッチ基板が付属していますが、これが無くても自動調整されるので、外しました。
 コネクタは全て除去し、電線を直接結線、さらにコンデンサを倒したり、裏面の突起を削ることで、極限まで高さを下げて基板の厚みを薄くしました。
 これで、6.5mm程度になり、液晶筐体の裏(内部)へ入りそうです。


液晶枠内へ基板を組み込む  液晶の筐体は、もともとバックライト用の液晶に対応するために厚くなっています。
 このため、薄い反射型液晶では、バッテリーを搭載していました。
 写真に、電池を固定していた両面テープが残っています。

 ここにちょうど基板を貼り付けることができます。
 この写真では、左にUSBケーブル、右にVGAコネクタを出しています。(手持ちのVAIOノートに合わせた。)
 lets note(レッツノート)で使うときは、左右の引き出し方向を逆にすれば良好です。(外部ディスプレー端子が左にあるため。)
消費電流を計る  組み込み後、USBコネクタへの供給電流を測定したところ、0.41[A](5.03[V])ということで、パソコンのUSB端子から供給できます。


ノートパソコンの外付け端子へつなぐ 液晶切り替えはキーボードで行う 本体の液晶を切る

 完成した外付けディスプレーを、SONY VAIO VGN-TX91Sに取り付けてみたところ、何の操作も要せずに、表示が現れました。

 キーボード上のディスプレー切り替えキーを操作すると、内蔵ディスプレーの表示が消え、外付け反射液晶のみが表示されます。

 


  
反射型液晶をつけたノートパソコンと照明  外付け反射型液晶ディスプレーを、VAIOの液晶の上に置いてみました。
 まるで、最初から反射型液晶が搭載されていたかのようです。
 
 電源はノートパソコンのUSBから取っています。
 さらに、「サインはVGA」のようなUSB電源で作動する2台目液晶用の駆動アダプタを取り付ければ、拡張画面(別の画面を表示できるデュアルディスプレー)となります。
 
 駆動アダプタを薄型にできれば、同様に液晶裏に入るかと思います。 
本と並べて照明  今度は、書籍と並べて置き、アームライト(60Wの明るさのLED電球)で照明してみました。
 書籍の隣に、写真集を置いたかのように、違和感なくデスクトップパソコンの画面を見ることができます。

 
 
 これは、今回製作した外付け液晶以前に製作使用している、反射型液晶ディスプレー2台による、デュアルディスプレー。
 これの使用実績(2年程度)が、ポータブル型を考えた元になりました。

 2010.07.25
 >詳細結線図

キーワード:全く目が疲れない液晶ディスプレー、
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反射液晶を使っていたパソコン例
FMV-STYLISTIC TB12/R
FMV-STYLISTIC TB12/R
http://www.fmworld.net/biz/fmv/product/hard/sty0606/feature/tb12r.htmlより
 このパソコンを秋葉などで見かけたら購入していたと思います。
 外で使うには理想的です。 今としてはもっと軽く、もっと早くということでしょうが。
 2013.07.19にオークションに出品されていました。