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 hp200LX 故障例 : わずかなカーボン汚れによるキー不良
(hp200LX trouble: Keyboard trouble by connector short due to irregular line of carbon.)
 キー不具合の症状は、ONキーが反応しないというものです。
 ただし、ctrl+shift+on (ハードリセット)は作動する。
 
 つまり、ONキーそのもの(接点)は、生きている(正常)ものの、なんらかの原因(外因)によって、作動が阻害されてると思われます。
 
 以下、トラブルシュート(不具合部探索)の過程を記します。

(1)もっとも疑わしい原因は、一部のキーが押された状態になっていることです。
 
キーボードの接点を確認する。 (2)そこで、キーボードを分解して接点部を確認します。
接点間にカーボン付着がある。 接点を清掃する。   すると、案の定(想定したとおり)、接点にカーボン粉が付着しています。

 これでショート(短絡)していたのだろうと、抵抗も測定せずアルコールで清掃して、くみ上げました。
全接点を測定しすると、9キーが悪い。 9キーの接点拡大  ところが、状況は当初の現象のまま変化がありません。

(3)そこで、もう一度分解し、すべての接点間の抵抗を測定してみます。 当然すべて無限大(抵抗が無い)であるはずです。

(4)ところが、赤矢印の接点(これは数字の9キーの部分)に抵抗(20Kオーム程度)があります。
 
9キーの裏面を確認  これは、不良(正常ではない)です。
 
 ためしに、別の個体で9キーを押したまま電源(onキーを押す)を入れると、反応がありません。
 (ちなみに、ほとんどすべてのキーは、単体で押したままにすると、電源が入りません。)
 
 しかし、接点部は綺麗であり、不要なカーボンの付着が見られません。
(5)そこで、接点の裏側を確認しました。 これは薄いアルミ箔を剥がす必要はあります。
 
 しかし、全く問題がありません。

コネクタ接点を測定 端子間に抵抗がある。 (6) 再度原点に返って、コネクタ部の抵抗を確認すると、最初の測定で、不良です。

 しかし、ここも問題なさそうです。
 
端子間のわずかな汚れ (7)顕微鏡で拡大してみると、端子部間に、わずかな汚れがあります。(赤矢印)

 半信半疑で、これを除去すると、不具合は解消されました。

 コネクタ部の不具合は、何度か経験していますが、もっとわかりやすい(目でわかる)ものでした。 
 
 見やすい部分で先入観にとらわれると、回り道させられるという例です。
 (2009.03.27)

過去の不具合例:
# 複数のキーが認識されない。故障例 故障例 
 

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