汎用水晶の取り付けは、倒立型が良いと説明していますが、説明が足りなかったようです。
倒立型の取り付け(交換)をされた方が、作動しないということで、送付されて来た例がありました。
汎用水晶(32MHz、36MHz)は共立エレショップさんで入手できますが、最近の水晶は、足(リード、引出線)の長さが短く、取り付けに無理があります。
そこで、無理の無い取り付け(交換)手順を、細かく説明いたします。
意外に多くの手順がありますが、基板を壊すこともある細かい作業ですので慎重になります。
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1: 水晶の取り外し
最初に標準速の水晶を外します。 |
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円柱状の水晶の外側ケースは、基板に半田付けされています。
これにより、物理的に固定され、かつ電気的にはシールド(遮蔽)されています。
まず、基板と接続する部分の半田を溶かし、浮かせます。
これで、水晶は足(端子)だけで基板に接続した状態になります。(写真中央)
次に、足を外します。
はじめに、片方の足の半田を溶かし、水晶を曲げて足を引き出します。
(片側の足は、半田が融けていませんので、支点になり、引き出せる足は5mm程度です。) |
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同様に、片方の足も半田を溶かし、水晶を曲げて足を出します。
そうやって繰り返すと、両方の足が抜け、水晶が取れます。
ここでの「こつ」は、最初に半田を吸い取らないことです。
その方が基板に負担を与えません。
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2: 下準備
新しい水晶を取り付けるための準備作業です。 |
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まず、水晶を取り除いた後の基板から、半田を取り去ります。
これには、半田吸い取り線を使用します。
水晶が取り除かれ、足(障害)が無いので、穴の半田をきれいに吸い取ることができます。
これにより、基板には最小限の負担しか与えず、スルーホール(足が入る穴)に接続する微細な電極パターンを傷つけることがありません。
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次に、カプトンテープ(または適当な耐熱性テープ)を用いて、基板上のパスコンを絶縁します。
これは新たに取り付ける水晶が大きいために、接触して短絡させない処理です。
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新たに取り付ける水晶の足を曲げます。
足が、ケースに接触しないように気をつけます。
次に、ケースの頭部で足の無い側を半田で盛ります。
この部分が、基板に半田付けされます。
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3: 倍速水晶の取り付け
新たな水晶を基板に取り付ける。 |