hp200LX修理ホームページLX-REST logo (hp200LX 修理・改造)
 hp200LX  32MHz汎用水晶の取り付け
 ( Clock up for 32MHz crystal install (HC49/US) )
 汎用水晶の取り付けは、倒立型が良いと説明していますが、説明が足りなかったようです。

 倒立型の取り付け(交換)をされた方が、作動しないということで、送付されて来た例がありました。

 汎用水晶(32MHz、36MHz)は共立エレショップさんで入手できますが、最近の水晶は、足(リード、引出線)の長さが短く、取り付けに無理があります。

 そこで、無理の無い取り付け(交換)手順を、細かく説明いたします。

 意外に多くの手順がありますが、基板を壊すこともある細かい作業ですので慎重になります。
 
 1: 水晶の取り外し
 

 最初に標準速の水晶を外します。
交換前 水晶のケースを浮かす リードの一端を少し浮かす
 
 円柱状の水晶の外側ケースは、基板に半田付けされています。
 これにより、物理的に固定され、かつ電気的にはシールド(遮蔽)されています。

 まず、基板と接続する部分の半田を溶かし、浮かせます。
 これで、水晶は足(端子)だけで基板に接続した状態になります。(写真中央)
 
 次に、足を外します。
 はじめに、片方の足の半田を溶かし、水晶を曲げて足を引き出します。
 (片側の足は、半田が融けていませんので、支点になり、引き出せる足は5mm程度です。)
リードの他端を浮かす もう一度リード線を浮かす 水晶が取れる
 
 同様に、片方の足も半田を溶かし、水晶を曲げて足を出します。

 そうやって繰り返すと、両方の足が抜け、水晶が取れます。

 ここでの「こつ」は、最初に半田を吸い取らないことです。

 その方が基板に負担を与えません。  


 
 2: 下準備

 新しい水晶を取り付けるための準備作業です。
半田吸い取り線で半田を吸い取る 力を加えすぎないように吸い取る 吸い取り後
 
 まず、水晶を取り除いた後の基板から、半田を取り去ります。

 これには、半田吸い取り線を使用します。

 水晶が取り除かれ、足(障害)が無いので、穴の半田をきれいに吸い取ることができます。

 これにより、基板には最小限の負担しか与えず、スルーホール(足が入る穴)に接続する微細な電極パターンを傷つけることがありません。


 
絶縁テープ 絶縁テープを基板上のコンデンサに貼る 付けようとする水晶
 
 次に、カプトンテープ(または適当な耐熱性テープ)を用いて、基板上のパスコンを絶縁します。

 これは新たに取り付ける水晶が大きいために、接触して短絡させない処理です。
  
  
リード線を曲げる ケースに予備半田を盛る 盛られた予備半田(半田の乗りを促進させる処理)
 
 新たに取り付ける水晶の足を曲げます。 
 
 足が、ケースに接触しないように気をつけます。
 
 次に、ケースの頭部で足の無い側を半田で盛ります。
 この部分が、基板に半田付けされます。
 
  
 3: 倍速水晶の取り付け

  新たな水晶を基板に取り付ける。
ケースを基板に半田付けする リード線の一本が短いため、使用せず根本で切る リード線の一本が切れた状態。 この後適当な線で繋ぐ
 
 まず、先ほど半田を盛った部分を、基板に接続させます。(写真左)
 ここでは、基板に熱を奪われるので、時間がかかります。 
 かといって、熱を与えすぎると、水晶を壊します。
 自信がなければ、この工程は行わなくても、動作には問題ありません。
 
 足も、基板の穴に入れ、半田します。
 ただし、片側の足は短いので、この際切断します。(写真中央と右)
 (後で、リード線を用いて確実に基板に接続します。 水晶の足が長い場合には、そのまま半田付けします。)
  
基板の裏面を半田する 半田後の洗浄処理  足が短いかどうかは、基板の裏側に、足が出ているかどうかで判断します。

 足が出ていない場合は、短いと言えます。
(短いままでは後で抜けることがあります。)

 半田を盛った後は、アルコールを含ませた綿棒で、洗浄します。

作動試験  取り付けた水晶を液晶と接続させ、電池を付ければ、立ち上がります。

 倍速になったことにより、通常は画面が乱れ、にじんだようになります。
 これは正常です。ドライバを入れることで正常に表示されます。

 4: 後処理

 水晶の固定、足の絶縁を確実にさせます。
エポキシ樹脂を用意する エポキシの混合 エポキシの塗布

 正常動作しても、今後の長い使用に耐えなければなりません。
 
 半田は、振動で取れやすく、また水晶が動けばさらに半田不良を助長します。
 リード線の短絡も、すぐに本体の不作動に直結します。

 そこで、最後にエポキシ接着剤で固定させます。

 エポキシは、リード線の固定と、本体の固定に使います。

 
 2008.06.11

 >さらに良い挿入方法 2011.12.18
 

めーる

All Rights Reserved, Copyright © Yazawa Kiyoshi 2008

閉じる