保持スプリングの腐食
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腐食は強力です。
これは、基板上の電極部ですが、バネ力を持つ手前側のクリップ「Y字型」の大半が消失しています。
(銅成分の腐食に伴う緑青が顕著です。)
これにより、給電スプリング部の電極を保持することができず、給電が簡単に途切れる状態になります。
この腐食が、なぜ電池からの液漏れによるものであると断定できるかというと、液の経路すべてに腐食および痕跡(白粉)が生じているからです。 |
給電スプリング部
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スプリングは、腐食により弾性を失い簡単に折れる
右側の巻きバネは、修理用代替品
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クリップ部は、電池電源を基板に伝える重要部品です。
これが、腐食すると、全く役にたちません。
交換する必要があります。
ところが、特殊な部品であり、入手困難です。
そこで代替品(だいたいひん)検討します。
スプリング(圧力を有する把持)の機能と、電極への押し付けとの両方を満たす部品はなかなかありません。
基板上に設けた電極を、基板ごと差し込むためのコネクタの電極を取り出してみると、使えそうです。(右写真 青いコネクタ(receptacle)P/N
225F-A26-2 3.5/5インチFDDなどに使う)
ですが、その後の使用実験などを経ないと安心できません。
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そこで、安心できる修理として、クリップを用いず、電線で直接接続することにしました。
細い電線を使えば、他に物理的な影響を与えません。
考えてみると、昔の小型ラジオやテープレコーダーでは、みんなコネクタを用いない直接接続が行われていました。
組み立て分解にはスキル(熟練)が要求されるものの、性能、信頼性においては高いものがありました。
無理にコネクタに拘泥(こだわる)必要はないわけです。
ただし、少しでも良い物(修理)にすべく、給電線は2本にして万一の故障を軽減させます。
組み立て時には、経路を確認しながら筐体を閉じます。
(電線が筐体で挟(はさ)まれたり、スピーカへのスプリング電極を阻害しないように注意)
2012.04.15 |
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