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 hp200LX 改造例:液晶表示部を閉じることで電源をOFFにさせる。
hp200LX modify : The power switch which operates by closing motion of display.)
 
 今回は改造例です。
 液晶を倒す(戻す)と、電源が切れる(OFFになる)という単純な仕掛けを追加します。

 液晶に連動するスイッチは、パソコンなどでは古くからあたりまえのように付いています。
 しかし、200LXにはなぜか付いていません。

 おそらくは、できるだけ無駄(過剰)な機能を排除したのでしょう。

 Simple is best 単純なものほど、故障は少ないし、そもそも数十秒でオートオフ(Auto off)するため、液晶連動スイッチをつける必要が無いと判断したのだと思います。

 それでは、今回なぜ改造したのかという理由ですが、絶対に必要であるという苦い経験をしたからです。


 本体内にスペア電池を確保して、良好に試用(使用)していました。
 ある講習に参加して、大事なところを記録し、「これは役に立ちそうだ」とほくそ笑んでいたときに、
 「Main battery low」のメッセージが表示され、さっそくスペアに交換しました。

 ところが、交換後に電源を on にしようとしたところ、再起動されてしまったのです。
 
 「え?」、と思ったときには、すでに遅し。
 相当な勢い(速度)で入力していたので、save(保存)が済んでいなかった入力は、すべて消えてしまいました。
 講義はどんどん進んでゆくし、もはや記憶で再現させる余裕(時間的、精神的)もありません。

 保存は忘れていたとしても、なぜ再起動されてしまったのか。 

 その理由は明白です。

 電源を切らずに(切り忘れて)主電池を抜いてしまったためです。
 
 電源をoff(切り)にすることなどは、親指でonキーに軽く触れるだけで良いことであり、普通なら忘れることはありません。
 しかし講義の途中での電池交換で、あわててしまい、そのわずかな操作を忘れてしまったのです。
 いわゆるヒューマンエラー(Human Error)です。
 
 どんなに機械が高度化しても、人間が介する部分に生ずる、不可避なエラー(間違い)です。

 そこで、これを無くす(ゼロにする)ことはできないまでも、減らす対策を考えました。




  着目点

 たとえ保存の終わっていない入力情報がメモリ上に多量にあったとしても、電源スイッチをOFFにしさえすれば、サスペンド(メモリ保持)され、主電池を抜いても補助電池で保持され、消えることはありません。

 主電池を交換するときは、本体の電池蓋を外すために裏面にする(ひっくり返す)ので、液晶は必ず倒す(戻す、収納する)。

 ならば、液晶に連動して作動する電源スイッチを付ければ、今回の失敗(エラー)があっても、メモリ内容はサスペンド(保持)されるので、再起動がかかることは無いではないか。

 その対策が、液晶連動スイッチです。


 以下は、液晶を閉じると連動してoff(オフ)になる回路の組み込み例です。
 

  回路分析

オンキーの信号が入るCPUの足 

 ONキーの信号(キーを押したときの電圧)は、CPUの足に入る。 
 この足に電圧がかかると、キーが押された状況になる。

 しかし、この押された状態が消えた(電圧が下がった)ときに初めて、onキーが押されたと判断される。
 つまり、onキーを指で押しただけでは作動(オンまたはオフ)せず、次に指を離したときに初めて作動する。
 


  設計条件

 ・液晶を倒してゆく途中で電源オフとなること。(表示が見えなくなる程度で作動する。)
 ・液晶を閉じた状態から開いても、勝手に電源が入らないこと。
 ・通常の作動(動作)には一切影響しないこと。

 
リードスイッチと磁石の取り付け
 スイッチはオーソドックス(定番)な方法を用い、リードスイッチと磁石による近接作動としました。
 ちょうど良い大きさの部品と、取り付け位置が見つかりました。
 
リードスイッチからの配線
 リードスイッチからの配線は、フレキに沿わせれば問題ありません(なさそうです)。
 電線には余裕を持たせます。
 
作動位置の確認(回路接) 作動位置の確認(回路断)
 リードスイッチの作動を確認します。
 磁石の位置が微妙に影響します。

 当初、液晶を閉じてゆく過程でリードスイッチがON→OFFと変化するように調整しました。
 こうすることで、液晶を倒す(閉じる)と電源オフとさせることができました。

 ところが、液晶を一杯に開いた場所でもリードスイッチがOFFとなる点があり、これにより液晶を閉じたときだけでなく、最大に液晶を開いても電源offになるという変則的な動作をしました。

 さらに、液晶の位置によっては、onキーが押された状態になるので、VZ(エディタ)の動作もメニューが開かないなど、思わぬ不具合が生じました。
 
モノステーブルマルチバイブレター
 そこで、改良回路を考え組み込みます。
 (モノステーブル[単安定]マルチバイブレータ:Mono-stable multi-vibrator)
 液晶が開閉されて何度もスイッチが作動しても、一回しか出力しません。
 

配線:CPU側とメモリー側
 
 スイッチと回路とを組み込み、作動は良好です。
 
 これで、ヒューマンエラーによるメモリ消失の恐れを、少しでも改善できたと思っております。
 
 理想的には、電源をoffにせずに主電池を抜いても、主電源を数秒保持する回路と、この間に自動的に電源オフ(メモリ内容保持)させることができれば良いと思うのですが、今後の課題です。

 2010,03,27

 改造ご案内
 
 その後、問題点が見つかりました。
 「BATT LOW」のメッセージが表示されている間は、ONキーを受け付けません。
 ESCキーを押して、表示を解除させる必要があります。
 これでは、肝腎の枯渇電池交換の際には、役に立たないことになります。
 
 液晶を戻すことで、ESC(エスケープ)キーが押され、その後ONキーが押されるように改良検討中です。
2010.05.16

めーる

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