hp200LX 不具合例:32MB 拡張メモリが、半分の16MBになる。) (hp200LX trouble: The memory board which recognizes half.) |
拡張メモリの不具合です。 32MBの増設メモリを搭載した倍速機で、16MBしか認識していないというものです。 このメモリ増設では、本体に付いていた2MBのチップを外し、拡張メモリに16MBチップを2個使用していますので、二つのチップ(memory tip)のうちの一つが認識していないようです。 増設メモリ(Addram LX3 「TNS-HP32」という表示あり。) この増設メモリは、過去にテラネットワークサービスさんで、増設対応されていたようでして、当所に来た修理ご依頼品のうち、メモリ増設機で良く拝見いたします。 (他に、コボルスキーさん、Thaddeus Computing (テディウス)さんの増設メモリも良くあります。) チップには、HM5113165FTD6というメモリが使われています。 (ピン配列) このチップは、低電力消費で使い勝手が良く、今でもyahoo!オークションで増設対応されている方がおられます。 (当所では、保有チップの関係上、最大8MBまでの増設に対応しております。) 増設メモりは、非常に綺麗な配線がされており、通常は不具合を起こしません。 不具合があるとすれば、CPUへの接続線の不具合が主なものです。 今回も接続部分を疑いましたが、切れや半田不良はありません。 そこで、拡張メモリを外して顕微鏡で詳細に検査いたしました。 取り外した拡張メモリ その結果、チップへの作動タイミングを規定するゲートICの6番と7番の足が動く状態でした。 つまり、半田が不良になってICの足が浮いているということです。 (不良部は顕微鏡でよく見てもわからないほどです。 ICの足に一本ずつ力を与え、わずかに動くことで初めてわかる程度です。) 拡張メモリ上のゲートICの足が動く このICには、LCK00の表示ありますので、ゲートIC(2-Input NAND Gate 74LCX00)だと思われます。 このデータを見ますと6番7番は、出力と、負極ですので、6番が接触不良を起こして、メモりの認識が半分になったものと判断いたしました。 最終的に認識しているメモリ 動く足と付近の足を再半田し、組み立てたところ、正常に32MBを認識しました。 200LXでは、液晶裏のICや基板上のROMの足の半田不良を多数経験しております。 増設メモリに関しても同様に、足の半田が長期使用による筐体の動き等によって不良を起こすといえます。 当初から強度の振動を考慮した航空宇宙等の機器にも、同様の部品は使われているのですが、半田付け後に、コーティング(皮膜処理)を行うことで、対策としているようです。 200LXにおいてもコーティングを考慮する必要があるかもしれません。(電池の液漏れにも有効ですし。) 2009.12.19 |
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