hp200LX修理ホームページ LX-REST logo (hp200LX 修理・改造)  矢澤行政書士事務所(ロゴ)

 hp200LX 修理例:部品欠落による基盤不作動。
 hp200LX repair : inoperative by resistor missing..)

  この例は、全く作動しない状況です。

 通常、表示はなくても、ピッという音などがして、なんらかの動き(動作)があるのですが、今回はなんらの反応もありません。
 
  原因は落下によるということですので、なんらかの物理的破損が疑われます。

 ハードリセット、電池抜き、外部電源接続も反応なしです。
 唯一、電池電流が30[mA]程度流れています。
 (電流値に変動無し。 通常は動作に伴う変動があり、しばらくすると急減して一定値になる。)
 
 最初に、基盤と液晶とのどちらが悪いのかを、他の200LXと交換することで確認します。
 すると、液晶は表示したものの、基盤側は全く反応しません。
 
 これにより、基盤が悪いということが判明。

crystal_ck.jpg 640x480 79,406 Bytes wave.jpg 640x480 64,122 Bytes  
 最初にクロック(基準発振)を見たところ正常です。
 落下による衝撃で水晶が壊れていれば簡単に直ると思ったのですが。

  
 あとは、とりあえず基盤を詳細に点検します。
  

missing_parts.jpg 640x479 81,870 Bytes install.jpg 640x516 103,590 Bytes   すると、一部に部品の欠損のような跡が認められました。

 最初から部品を付けていないことは、電子基盤には良くあります。

 他の基盤と比較したところ、抵抗器(registor、レジスター)が欠損していることがわかりました。

 WIKIPEDIA:resistor
 
boot.jpg 640x504 96,553 Bytes  抵抗器は基板用のフラットタイプ(flat type)であり、これを交換(追加)して動作は正常になりました。
 小さな部品一つでも、戻せばちゃんと動作するところが素敵です。

 筐体の右側ヒンジ部(hinge)は、落下のショックで浮いています。
 (写真参照)
 
 サイズを計ったところ2[mm] x 1.25[mm]角でしたので、
 レジスターの規格は、 (0.08[inch] x 0.05[inch])の0805型、容量1/8[W]、抵抗値は1002表示の10[KΩ]、誤差1[%]であることがわかります。
 http://www.esr.info/pdf/products/SMDC.pdf
 
 
基盤とケースとの関係 基盤とケースとの位置関係 基盤とケースとの関係詳細
  さて、部品脱落の原因を考えます。
  脱落したレジスター(抵抗器)の位置は、赤矢印の部分です。(左写真、中央写真)
  黄色の矢印は以前の故障例であり、同様に落下で外れた部品です。
  どちらの脱落例も同じ側(がわ)ですが、今回の脱落は、頂点部からは離れており、しかも基盤上の配置も簡単には触れない位置にあります。(中央写真)クリックで拡大させると良くわかります。
 
  良く見ると、キーボードのコネクタを部分的に押さえるために、筐体内部にダムのような突起が設けられています。(右写真、赤丸部)
  落下の際に、このダムが基盤上の抵抗器に当たって、剪断するように外したものと考えます。

 2011.01.22 PDF(タイムスタンプ)
   >タイムマーク
 修理改造ご案内
閉じる めーる mail-form