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 hp200LX修理:突然のリブート。 原因は電池電極の腐食による接触不良
 Sudden restart by battery feeder clip corrosion.
   
 使用中に再起動(リブート)が起こることがあります。
 この例の多くは電池電極クリップ部の外れです。
 
 今回の不具合例も同様の症状であり、同様の原因です。
 しかし、単に嵌め込み直すだけでは解消しません。
 なぜなら、肝心の保持部が腐食して機能を失っているためです。

 腐食の原因は、電池から漏れた電解液が付着したためです。
 
  この腐食は良くあり、今迄はクリップ部の交換(ジャンク基板からの流用)で対処(修理)していました。
 しかし、不作動基板の数にも限りがあるため、今回は別の手段を模索しました。
 
  
spring missing
保持スプリングの腐食

 
 腐食は強力です。
 これは、基板上の電極部ですが、バネ力を持つ手前側のクリップ「Y字型」の大半が消失しています。
 (銅成分の腐食に伴う緑青が顕著です。)

 これにより、給電スプリング部の電極を保持することができず、給電が簡単に途切れる状態になります。
 この腐食が、なぜ電池からの液漏れによるものであると断定できるかというと、液の経路すべてに腐食および痕跡(白粉)が生じているからです。
電池のマイナス部が消失
給電スプリング部


新品のスプリング部を取り付ける
スプリングは、腐食により弾性を失い簡単に折れる

右側の巻きバネは、修理用代替品
 
腐食したスプリング
外した電極受け部
spring clip
 正常なクリップばね
クリップをコネクタ部品で作る
 クリップの代替品
 クリップ部は、電池電源を基板に伝える重要部品です。
 これが、腐食すると、全く役にたちません。
 交換する必要があります。
 ところが、特殊な部品であり、入手困難です。
 そこで代替品(だいたいひん)検討します。
 スプリング(圧力を有する把持)の機能と、電極への押し付けとの両方を満たす部品はなかなかありません。
 基板上に設けた電極を、基板ごと差し込むためのコネクタの電極を取り出してみると、使えそうです。(右写真 青いコネクタ(receptacle)P/N 225F-A26-2 3.5/5インチFDDなどに使う)
 ですが、その後の使用実験などを経ないと安心できません。
 
 800x552 73,737 Bytes
クリップを用いず、直接配線
 800x590 81,001 Bytes
1本では心配なので2本で給電
 800x653 56,764 Bytes
組立て時の経路確認
 そこで、安心できる修理として、クリップを用いず、電線で直接接続することにしました。
 細い電線を使えば、他に物理的な影響を与えません。
 考えてみると、昔の小型ラジオやテープレコーダーでは、みんなコネクタを用いない直接接続が行われていました。
 組み立て分解にはスキル(熟練)が要求されるものの、性能、信頼性においては高いものがありました。
 無理にコネクタに拘泥(こだわる)必要はないわけです。
 ただし、少しでも良い物(修理)にすべく、給電線は2本にして万一の故障を軽減させます。
 組み立て時には、経路を確認しながら筐体を閉じます。
 (電線が筐体で挟(はさ)まれたり、スピーカへのスプリング電極を阻害しないように注意)

 2012.04.15

 
 
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