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hp200LX修理例:電池の液漏れによる腐食を原因とする主基板回路切断 
 hp200LX Repair:Inoperative due to main board circuit pettern-cut caused by corrosion of battery liquid leakage.

  良くある電池の液漏れによって生じた基盤の作動不良です。
 幸い回復しました。
  まれな例のようにも思えますが、同一構造物の常として、必ず似たような例が生じますので、今後の参考用にUP(アップ)いたします。
  

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001
状況: ONキーを押しても表示は全くなく、音も出ません。
かろうじて電池電流だけは流れていますが、値に変化がありません。
 これで、回路が不作動であることがわかります。
 (通常は、表示が無くても、起動シーケンス、キー反応などで電流値が80mAから20mA程度になって落ち着きます。 その後STBYになれば0.4mA程度で値が固定します。) 001

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002
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004
 電池の液漏れがあったことは、外観からわかりました。
 内部にも腐食(電解液の結晶状物質を含む)のあとがあります。 002
 基板のクリップ部も腐食( 003)し、IC TL393Cの足も、緑色物質が付着しています。いわゆる緑青(ろくしょう)ですね。 004

 ここで、相当な腐食物質が基板上に流れたことが想像できます。
 とりあえず、腐食物質を除去しながら、配線状況を確認します。

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005


 腐食による断線(パターン切れ)がありました。(赤矢印)
 写真 004の左上に見えている抵抗器を外して上下逆になっている写真が005です。
 
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 基板の他の部分もCK(チェック)してみます。
 ダイオードを外した部分の細くなったパターンが切れて(腐食による紛失状態)しています。( 007の赤矢印) 切れた部分はジャンプ(電線により結線)します。
  
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011
 

 2箇所も不具合(カット)を発見し、修復したのですから直ったと思い、電流を測定しますが、やはり無反応(正常な電流変動をしない)です。

 そこで、あやしそう(腐食物質が浸透したと思われる)な、部品を詳細検査します。

 足に緑青があるICが怪しいので、外します。 008 
 緑青物質を除去すると、3箇所に切れがありました。 009
 (一部は清掃中に、わずかにつながっていた部分を切った可能性もあります。)

 やはり細線で修復(ジャンプ)します。
 ついでに切れそうにまでにパターンが細くなっている部分もジャンプさせます。 010
 その後ICを元に戻します。 011 
  
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012

  これで、電流に変動が生じ、基板が生き返りました。
  基板を筐体に戻さなくても、電流の変動だけで生き返り(復活)を確信することができます。
 仕上げに、基板全体を水中に没し、腐食物質を溶かして除去させます。
  合計5箇所が切れていた可能性があるわけですから、他にも切れそうな部分を見逃している可能性もあります。
 (水洗いの効果を確認したわけではありませんが、電子基板の洗浄は一般的基本作業です。)
 

 hp200LXにおける腐食は、経年劣化による筐体各部の割れとともに、故障の大きな原因です。
 割れは、落下を防止することが注意事項になりますが、腐食防止の注意事項はアルカリ乾電池を使わないことです。
 アルカリ乾電池を入れて、そのまま長期間放置しただけで電池から腐食液(電解液)が漏れて、hp200LXは死んでしまいます。

 電池は、絶対的に充電池、それもエネループをお勧めいたします。
 1.エネループ使用で、hp200LXにおいて、電解液が漏れ、腐食した状況を知りません。
 2.エネループは、hp200LXにてアルカリ単三乾電池と同等以上の使用時間が得られます。
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 2011.08.18PDF
 
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